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大手ゲーム会社のデザイナーになるには?

※サムネイル画像は本学キャラクターデザインコースの学生作品です

クリエイティブ職への就職に圧倒的に強い、京都精華大学。

ゲームクリエイターや漫画家、イラストレーター、アニメーターなどの絵を描く仕事は、男女問わず中学・高校生の「将来なりたい職業」トップ10にランクインするほど、今や人気の職業となっています。
およそ半世紀にわたり、専門教育を強みとしてきた本学では、2017年3月の芸術系学部の卒業生就職者の63%がデザイナーやゲームクリエイター、アニメーターなどのクリエイティブ職に就職しています。また、総合職として採用されたあと、営業などの現場研修終了後、2年目以降にクリエイティブ職に配属予定の就職者を含めると、なんと約70%がクリエイターとして活躍することになります。大学新卒者のうち、たった3年で、3人に1人が会社を辞めるといわれる時代。「どこでもいいから就職」ではなく、自分の「好き」や「得意」を仕事探しの手がかりにし、本当に納得のいく進路を選ぶことを大切にしています。

コナミデジタルエンタテインメントに就職した卒業生が特別授業を開催。

7月30日に行うオープンキャンパスでは、「メタルギア」「実況パワフルプロ野球」「ウイニングイレブン」など、人気シリーズタイトルを数多く生み出してきたコナミデジタルエンタテインメントにデザイナーとして就職した卒業生を招き、特別授業を行います。
ゲームの創り方から、デザイナーの働き方、就職活動の裏話まで、これからゲーム業界やクリエイティブ職をめざす人の参考になるはずです。
また、オープンキャンパス前の特別企画として、今回はコナミデジタルエンタテインメントに就職した2名の卒業生に、学生時代のポートフォリオをお借りしてきました。大手ゲーム会社に就職した卒業生の学びの履歴をポートフォリオの作品からたどります。
ちなみに、京都精華大学のキャリア支援課では、卒業生たちのポートフォリオを、業種や採用職種ごとに分けて保管。現役生たちがいつでも見ることができます。

4年間の学びの成果「ポートフォリオ」を一挙公開。

一人目の土方萌絵子さんは、在学時、マンガ学部カートゥーンコースに所属。「風刺画」と呼ばれる一コマのマンガを描くことを主軸に、絵本やイラストレーションなどにも取り組んでいたそうです。「動物の絵をたくさん描くことの多いコースで、そこに魅力を感じて、精華大のカートゥーン選びました。」という土方さん。夏休みの課題では毎日のように動物園に通い、1,000枚もの動物クロッキーを描いたことが学生時代の思い出だと語ってくれました。
 
土方萌絵子さん
 
2014年に京都精華大学を卒業後、2015年よりコナミデジタルエンタテインメントに、デザイナー職として就職。現在はモバイルアプリの新規プロジェクトに携わる。大の動物好き。

土方さんのポートフォリオ

「動物が大好き」という土方さんのポートフォリオは、威風堂々としたライオンの表紙からはじまる。
デッサンのページより「インドクジャク」。画材は水彩絵の具。制作時間は26時間にもおよぶ。
水彩絵の具による「カモシカ」と、鉛筆デッサンの「レア」。
静物デッサンのページ。立体感や質感を表現するため、モノをよく見る目をやしなう必要があるのだそう。
カートゥーンコースの名物授業で腕を磨いた動物クロッキー。線のきれいさをどこまでも追求する。
カートゥーンコースでは「絵本制作」の授業も。タイトルは「ふくろうの手紙」。全28ページ。
絵本制作では、単に絵を描くだけではなく、ストーリー構成から製本までを一人で担当する。
連作「こんなはずでは…」。カートゥーンらしいコミカルなタッチの8コマ漫画。
イラストレーションのページより「神社と猫」。自分の好きなことを画面いっぱいに表現しているのだそう。
作品名「フクロウ便」。スキャンしたペン画をもとに、ペンタブレットでデジタル彩色。
作品名「とあるお正月の風景」。土方さんいわく「動物と人の営みを大切に描いている」のだそう。

二人目は「パワプロ」のデザイナー。

第一作目の発売から20年以上にわたり、野球ゲームのビッグタイトルであり続ける「実況パワフルプロ野球」シリーズ。そんな人気ゲーム制作の一端を担うのが、本学卒業生の中田成美さんです。中田さんは、もともとイラストに興味があったそうですが、「イラストを描く上でも、絵画表現を学ぶことは良いこと」という画塾の先生のアドバイスを受け、芸術学部日本画コースへ。長いときで2~4カ月程かけて作品を制作する経験を経て、ひとつの作品にしっかりと向き合う姿勢が身についたそうで、「趣味で好き勝手に描いていただけでは、学べなかったことだと思います」と語ってくれました。
 
中田成美さん
2012年に京都精華大学を卒業後、2014年よりコナミデジタルエンタテインメントに、デザイナー職として就職。現在は「実況パワフルプロ野球」シリーズのデザインを担当。
中田さんがこれまでにデザインを担当してきた作品。パワプロアプリメカニクス産業ロゴ(写真左)、パワプロアプリヴァンプ高校吸血コマンドアイコン(中)、パワプロアプリ王座決定戦ロゴ(右)。

中田さんのポートフォリオ

作品名は「夢の続き」。使用ソフトはSAI。デジタルとはいえ、何度も塗り重ねた日本画らしい作風。
Photoshopで制作した「 INO RI」。ゲーム会社を受けるにあたり、デジタル作画に力を入れたのだそう。
日本の自然や移ろう四季の美しさと向き合う日本画。課題モチーフは、おのずと花や植物、生物が中心となる。
基礎課程を終えて、モチーフを自分で選ぶようになってからは、人物画中心に。
ゲーム会社の場合、基礎画力をみるため、デッサンの提出が求められるケースも多い。
日本画で身につく基礎画力や表現技術を生かせる仕事として、ゲーム会社への就職をめざしたのだそう。
日本画の若手の登竜門「日春展」に入選した作品「結ぶ」。
1m30cmを越える絵。日本画では、個人に広い制作スペースが与えられ、大きな作品にも挑戦できる。
土方さん、中田さん、お二人のポートフォリオの共通点として、「幅広く描き分けができる」「基礎的なデッサン力がある」という点が挙げられるかもしれません。コナミグループさんの採用担当の方によると、「リリースするゲーム作品の世界観に合わせて描き分けたり、ディティールにこだわって描写したりする力がポイントになります」とのこと。
 
記事に登場していただいた土方さんには、7月30日のオープンキャンパスで、特別授業を行っていただきます。ゲーム業界におけるデザイナーやクリエイティブ職に興味のある方は、ぜひお越しください。

ゲーム系企業への就職実績も多数。

本学では、コナミグループさんをはじめゲーム業界への就職実績が多数あります。オープンキャンパスでは、進路・就職に関する相談ブースもありますので、興味のある方は足を運んでみてください。

 
過去3年以内の主な就職実績
 
株式会社カプコン
任天堂株式会社
株式会社レベルファイブ
グリー株式会社
株式会社コロプラ
株式会社ミクシィ
株式会社インテリジェントシステムズ
株式会社マーベラス

7月のオープンキャンパスは、在学生作品がキャンパスを埋める。

7月29・30日の2日間にわたって行われる今回のオープンキャンパスでは、在学生が授業の成果を発表します。キャンパス内に展示される作品や、在学生が作品についてプレゼンテーションする様子を通して、大学の学びを知ることができます。本記事では、在学生作品を先駆けてご紹介します。

JACさん(ペンネーム)
マンガ学部 キャラクターデザインコース 4年生
桜子さん(ペンネーム)
マンガ学部 キャラクターデザインコース 4年生
7月29・30日の2日間にわたって、オープンキャンパスを開催します。コナミデジタルエンタテイメントでデザイナーとして活躍する卒業生を招いた特別授業『ゲームってどう創られるの?』は、30日の14:00より。

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