新世代マンガコースってなに?

マンガ家を一生の仕事にするために

新世代マンガコースでは、マンガ家を一生の仕事にできるように、ヒットを飛ばした後も自分自身の力で次のヒット作を生み出せる力を身につけることを重要視しています。それを実現できるのは、セルフプロデュースができるスキル(能力)です。仮に1冊あたり10万部以上売れたマンガをヒット作と位置付けるとして、ヒット作を何作も連発できるマンガ家は全体の一握りです。逆に、ヒットを飛ばしたあと次のヒット作が出ないことで苦しむマンガ家が数多くいるということです。また、出版社も編集者も常にフレッシュな新人を探し求めています。なので、中堅クラスのマンガ家が次なるヒット作を出すためには、自分自身で時代のトレンドを読んだり、他者の追随を許さない魅力を備えなければなりません。それを新世代マンガコースでは「セルフプロデュースができる力」と呼び、学生たちに身につけてもらう最も重要なスキルだと考えています。このスキルを身につけることで、何度もヒット作を作り出せるマンガ家になること、つまり一生涯創作者として仕事ができるようになることを目標とします。

卒業後の進路イメージ

新世代マンガコースで身につけた「セルフプロデュースができる力」はマンガ家以外の職業にも幅広く応用できます。発想力と構成力をもつマンガ原作者、バラエティ番組の放送作家や構成作家、Webコミックサイトの編集者、ゲームやコンテンツのプランナーといった、次世代に活躍できる総合的なエンタテインメント創作者を目指す方なら、おおいに役立つスキルです。

漫画界の流れが変わりつつある。これが新時代!

あなたのマンガが日に日にパワーアップ

電車に乗って周囲を見渡すと、紙の本を読んでいる人を見ることが希になりました。そして、多くの人がスマートフォンを触っています。近年、マンガ雑誌の部数も減ってきているのが現状です。スマートフォンなどの電子デバイスでマンガを読む人が増えてきている時代に、マンガの描き方、読まれ方、収益の方法も大きく変わりつつあります。新世代マンガコースとは、そういう時代に即応した作家を育てる、日本初のマンガ教育の場なのです。近年、Webサイトや個人ブログ、SNSで発表した作品がファンから直接評価されて書籍化されるケースが増えています。ネット上で発表されたアマチュアの作品が単行本として書店に並び100万部を超える大ヒットになったケースもあり、雑誌での連載デビューを経ることなく人気マンガ家になれる時代が来ています。
新世代マンガコースでは、そういう時代にマンガ家が身につけるべきスキルはクリエイターとしての力に加えて、プランナーとしての力、マーケターとしての力、プロデューサーとしての力であると考えます。これらのスキルを身につける目的で、マンガを配信するコンテンツプロバイダによる特別講義やタイアップカリキュラムを実施します。
 
レベルの高いマンガを描くだけではなく、作品をどうやってネット上で伝播させればいいのか、サムネイルや配信タイミングなどの「人目を引くための工夫」、読者の反応を見てストーリーや設定やキャラクターを変化させる「分析と対応」、さらにはマーケットリサーチをベースとした「トレンドウォッチと企画立案」。コンテンツプロバイダしか知り得ない貴重なノウハウを、新世代のマンガ家育成のために、時間をかけてレクチャーします。
鴻池剛さんがTwitterにアップして人気になった「鴻池剛と猫のぽんたニャアアアン!」は、2015年10月にKADOKAWAより書籍化され、70万部を超える大ヒットとなりました。また、鴻池さんのTwitterアカウントには108万人のフォロワーがおり、Twitterでマンガをアップするだけで75万部の雑誌に掲載したのと同じ効果があると考えられています。
©鴻池剛 / KADOKAWA刊

新世代マンガコースならではの特別なカリキュラム

Comico との新世代マンガ家開発プロジェクト

新世代マンガコースで身につけた「セルフプロデュースができる力」はマンガ家以外の職業にも幅広く応用できます。発想力と構成力をもつマンガ原作者、バラエティ番組の放送作家や構成作家、Webコミックサイトの編集者、ゲームやコンテンツのプランナーといった、次世代に活躍できる総合的なエンタテインメント創作者を目指す方なら、おおいに役立つスキルです。

トーチによる特別講義

トーチは「たいまつ」を意味し、老舗のマンガ出版社・リイド社が「未だ見ぬ表現」を探求することを旗印に開設したWebマンガサイトです。エッジの立った作家を求めて、また新世代を開拓できる新進気鋭の才能を求めて作品講評を中心とした特別講義を実施します。2015年度の特別講義にて、当校ギャグマンガコースの辺音夢(ぺんねむ)さんがデビューを飾っています。

初心者でも新人賞を獲得できる!

デビューへの最短コース、ここにあり!

マンガを描いた経験の浅い人や画力・構成力(ネーム力)の低い人が短期間で実力をアップさせるには、プロ作家の原稿を模写することが近道だと言われています。しかし、模写で実力がつくかどうかは人によってバラつきが大きいという結果が出ているのです。それはなぜでしょう?その答えを私たちは知っています。新世代マンガコースでは、キャラクターの作り方、アイデアの出し方、画面構成の有効な手法と禁じ手、読者を意識したストーリー展開と演出法など、独自のテクニックをレクチャーする専門のカリキュラムが用意されています。入学時に初心者に近かった学生が4年間で新人賞を取るまでに実力アップできるそれは、学生たちをクリエイターに育てるためになくてはならないものです。

毎日毎日プロ作家の原稿を模写する、という行為は野球に例えると「バットを持って毎日300回素振りをする」という行為にあたります。たしかに筋力は付くでしょう。しかし、それだけではプロ野球選手にはなれません。スポーツは相手選手との真剣勝負です。勝つために必要な筋力と同時に、駆け引きで相手に負けない理論と経験、そして柔軟な思考が必要です。マンガにおいても読者との真剣勝負は同じです。高い画力と同時に、読者を惹きつけるための理論と経験、具体的には「読者の予想を上回るストーリー展開、魅力的なキャラクター、読者の心を鷲掴みにする演出力」などを身につける必要があるのです。ストーリーマンガコース、ギャグマンガコースで長い時間を掛けて構築したカリキュラムを、新世代マンガコースでは、さらに展開して授業に組み込んでいきます。

伝統と実績がある。多くの卒業生が第一線で活躍している!

だからこそ京都精華大学で学ぶ意味がある

小説や映画や音楽のように、教育ノウハウや理論が古くから体系化されているジャンルとは違い、マンガはセオリーやメソッドが十分に確立できていないのが現状と言えます。それぞれの職人がそれぞれの秘伝の技を開かさない、このためにマンガ家の新人育成は、教える側の個人技に頼る傾向が強いと思われています。一方、京都精華大学は、16年もの間、大学でのマンガ教育や研究の場として独自のノウハウを蓄積してまいりました。卒業生の中には長期連載になったヒット作、アニメ化や映画化されたヒット作を持つ作家も多く、そこにはまちがいなく京都精華大学にしかない「マンガを描くためのコアコンピタンス」があるのです。

小説や映画や音楽のように、教育ノウハウや理論が古くから体系化されているジャンルとは違い、マンガはセオリーやメソッドが十分に確立できていないのが現状と言えます。それぞれの職人がそれぞれの秘伝の技を開かさない、このためにマンガ家の新人育成は、教える側の個人技に頼る傾向が強いと思われています。一方、京都精華大学は、16年もの間、大学でのマンガ教育や研究の場として独自のノウハウを蓄積してまいりました。卒業生の中には長期連載になったヒット作、アニメ化や映画化されたヒット作を持つ作家も多く、そこにはまちがいなく京都精華大学にしかない「マンガを描くためのコアコンピタンス」があるのです。

新世代マンガコース特設サイト

マンガを一生の仕事にするための「セルフプロデュース能力」など、新世代マンガコースならではの特別なカリキュラムについて動画を交えて詳しくお伝えします。

科目PICK UP

新世代のマンガ文化をつくる編集部や作家が特別講義を実施。
[ネームドリル実習/1年]マンガを描くための基本的な技術を身につけます。また、マンガアプリ編集部による講義や、ウェブコミック誌を運営する出版社による作品講評などもあり。SNSで人気を集めるマンガ家指導のもと、作品を実験的にSNSにアップする実習も行います。

多くの人にアピールできるSNSを活用して、作品を発表する。
[新世代マンガ総合講座/2年]SNSなどを通して作品を発表し、そこで多くのファンを獲得し、今までにないスタイルで収入を得る作家が増えてきました。この新時代の流れに乗り、ネットを活用して創作活動を続ける方法を学びます。SNSで成功したマンガ家による特別講義もあります。

4年間の学び

1年次 デジタル作画やストーリー構成を学ぶ

アナログのペンワークからCLIP STUDIO PAINTを使ったデジタル作画技術、ストーリー作りの基礎を学びます。紙媒体から電子書籍、Webtoonまで、マンガ市場のマーケティングに関する講義も実施。
授業例:キャラクター描き分け、パース基礎、三幕構成、ネーム模写、コマ割りと視線誘導、マンガ構成、デジタル時代の漫画家サヴァイブ論 など

2年次 実践的なキャラクターとマンガ作品制作

キャラクターを活き活きと動かすためのノウハウを学び、オリジナルキャラクター制作を行います。プロの編集者による実践的な作品制作のレクチャーや作品の講評を実施します。
授業例:キャラクターデザイン造形論、デジタル演習、マンガ業界論、カラー作画実習、Webtoon作画、作品プレゼンテーション

3年次 読者を満足させる応用技術の習得

読者を意識したカメラワーク、構図・構成に関する演出技術を学び、多くのファンを掴むコンテンツを創作。作品からストーリー構成を分析し、読者の思考を誘導する魅力的な作品づくりを実践的に学んでいきます。
授業例:背景描画による演出効果、映画のネーム化、キャラクター行動理論、Webtoon構成理論、少人数ゼミによる進路別の実践指導 など

4年次 卒業制作に取り組む

3年次に引き続きゼミ形式で学びを深め、卒業制作に取り組みます。マンガ家をめざす学生には、教員が在学中デビューのサポートを行います。

教員

非常勤講師

  • 一本木 蛮 / まんが家・タレント・日本漫画家協会常務理事(担当:アカデミックスキル4(新世代マンガ)、マンガ業界論1・2、マンガ応用実習3・4・5・6S、マンガ実践実習1・2S)
  • 上野 顕太郎 / マンガ家(担当:自由制作S、卒業制作実習S、卒業制作S)
  • 木村 大輔 / 漫画家(担当:マンガ応用実習3・4・5・6S、マンガ実践実習1・2・3・4S)
  • くろなゆた / イラストレーター(担当:基礎デジタル演習1・2・3・4S、デジタル演習1・2S)
  • 鮭田 ねね / 漫画家(担当:マンガ基礎実習5・6S、マンガ応用実習1・2・3・4・5・6S、マンガ実践実習1・2・3・4S)
  • 丘丘(担当:マンガ基礎実習5・6S)
  • 時田 時雨 / 漫画家(担当:マンガ応用実習3・4・5・6S)
  • 時十葉 あい / 漫画家(担当:マンガ応用実習3・4・5・6S)

卒業後の進路

 めざせる職業
連載マンガ家、実用マンガ家、マンガ原作者、ウェブトゥーン作家、コミック編集者、美術教師 など

 主な就職先
Web制作会社、編集プロダクション、出版社、デザイン事務所、マンガ配信サービス会社 など

取得できる資格

在学中、指定された科目単位を取得すれば、以下の資格を取得することが可能です。
その他、検定・資格取得のための支援講座も用意されています。

 高等学校教諭一種免許状(美術)
 中学校教諭一種免許状(美術)
 図書館司書
 博物館学芸員

VOICE

  • 西上 愛さん在学生

    自分のマンガを発信できる力を磨く。

    マンガ家になるために学べる大学を探していたとき、オープンキャンパスで田中圭一先生の「これからのマンガ家」についてのレクチャーに出会ったんです。SNSを活用して作品をヒットさせるなど、セルフプロデュースができるマンガ家についての話が非常に分かりやすく、進学を決意しました。デジタルの世界も好きだったので、デジタル作画やWebマンガに特化した新世代マンガコースとの相性の良さを実感する日々を過ごしています。最近興味深かったのは、Twitterに特化したマンガを描く授業。横にページをめくる冊子と違って、Twitterのマンガは縦に流れていきます。スマートフォンでスクロールして読むことを前提とした描き方など、さまざまなコツを実践的に学ぶことができました。海外からマンガを研究しに来た沢山の留学生と共に学べる環境も新鮮で楽しいです。多様な価値観や意見を交換でき、深みのある作品制作に生かせると感じています。入学してから特に伸びたと実感しているのは、人に伝えるためのプレゼンテーション力です。グループでの課題などを通じて、人の話を理解し、自分の言葉で説明する能力がみがかれていきました。いまは1年生ですが、これからもっと力をつけて、オリジナリティのあるマンガを発信していきたいです。
  • おおひなた ごう教員

    最新のツールを活用して作品を世界に発信しよう。

    新世代マンガコースの魅力は、マンガを描く技法だけではなく、SNSなどを活用して作品を発信する方法も学べるところです。教室では、マンガ家として第一線で活躍している教員たちが、現場で得た最新の情報や経験を生かして指導を行っています。こんなことが学べるのは、世界でもここだけだと自負しています。デジタルツールでの作画に興味がある人、新しいことが好きで多くの人を楽しませたい人、マンガを通してメッセージを届けたい人、SNSなどを使ったエンターテインメントに興味がある人におすすめのコースです。
    マンガの強みは「分かりやすさ」にあります。マンガで表現するということは、自分の考えを分かりやすく読者に伝えるということ。つまり、常に読者の存在を想定するということです。これは、普段の生活の中で他者を意識することと同じ。マンガ制作を学べば、相手の立場への想像力や、他者を思いやる心が育まれると考えています。これから表現者を志す皆さんには、「世の中にはいろんな人がいて、いろんな考え方がある」というグローバルな視点が必要になるでしょう。大学には多彩な個性をもつ人がいます。在学中は、彼らと積極的に交流し、違いを理解して受け入れる努力をすることで、広い視野を養ってください。
  • 田中 圭一教員

    自分のマンガを世界に広げる方法を学ぶ。

    新世代マンガコースは、面白いマンガを描くための技法やメソッドだけではなく、SNSを活用して作品を世界に発信するノウハウも学べるコースです。激動するマンガ業界、その最前線で活躍する教員たちが、最新の情報や経験を紹介します。こんなことを学べるのは、世界でも新世代マンガコースだけだと自負しています。私自身も業界で活動する作家のひとりです。面白いマンガの構造、演出手法、キャラクター設定の法則性などをたえず解析・追究し、新しい作品を発表し続けています。教員としての私の仕事は、自作のために研究して得た知識や新しい成功例を、すぐに学生のみなさんへフィードバックすること。そうすることで、次世代のマンガ家やクリエイターを育てたいと考えています。マンガの面白いところは、作家自身が企画者、脚本家、主演俳優、美術設計者、監督、プロデューサーを務められるところ。私は、マンガは個人でできる最高レベルの表現形態だと信じています。多くの人を楽しませたい人、マンガを通してメッセージを届けたい人、SNSやネットを使ったエンターテインメントに興味がある人へ。新世代マンガコースはあなたを待っています。