横内 賢太郎 YOKOUCHI Kentaro

- 専門分野
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絵画 / 現代美術
- 所属
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- 芸術学部 造形学科 洋画専攻
- 大学院 芸術研究科

経歴・業績
1979年千葉県生まれ。2002年武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業。2007年京都市立芸術大学大学院博士(後期)課程油画領域修了・論文「変質の絵画」。2008年VOCA賞受賞。2014年ポーラ美術振興財団在外研修員としてインドネシアに渡り、ジョグジャカルタに移住。作品制作と並行し自宅を改装したアートスペース「Artist Support Project」を設立、運営。2020年文化庁新進芸術家海外研修制度研修員としてオランダにて研修。帰国後は美術大学で非常勤講師の他、2022年度と23年度は名古屋市の防潮壁プロジェクトで小学6年生の児童と「いまだ知らない」をテーマに壁画を制作。2023年から「文化の3点観測」をテーマに掲げた新しいかたちのレジデンス・芸術支援活動「R.E.Award」をASPとProject Space hazi(愛知県岩倉市)で共同開催。現在は岐阜を拠点にして愛知、京都、インドネシアで活動している。
文化的接ぎ木の状態について関心を持ち、クレオール性や東西交流史に関わりのある場所や事象などから得られる歴史意識や肌感覚から「絵画」を探求している。光沢のあるサテン布に染料やメディウム等により滲みのある独特な画面を作り、東洋に対する西洋の関係性あるいは、交わりをあらわにする。近年はインディゴ(インドネシアで栽培された琉球藍)や墨、絹などの素材を解釈し直すことから作品を制作しており、その他にもフレスコ、テンペラ、油彩、アクリル、版画、染料を用いた絵画組成など、素材と技法を掛け合わせる面白さを物質的な側面での接ぎ木表現として研究している。
主な展覧会として、「Fabric of Perception」(Kenji Taki Gallery六本木、2025年)、「Pagi / Sore」(Studio Kalahan、ジョグジャカルタ、2024年)、「CONTACT」(愛知県美術館、2020年)、「誰もに何かが / Something for Everyone」(京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA、2020年)、「Indigo Phase」(puntWG、アムステルダム、2020年)、「Collective Storytelling -Contemporary Art from Yogyakarta, Indonesia」(Synesthesia、NY、2019年)、「現代絵画のいま」(兵庫県立美術館、2012年)、「桃源万歳——東アジア理想郷の系譜」(岡崎市美術博物館、2011年)、「MOT アニュアル2010:装飾」(東京都現代美術館、2010年)、「VOCA 展 2008」(上野の森美術館、2008年)、「「森」としての絵画 -「絵」のなかで考える」(岡崎市美術博物館、2007年)など。
岡崎市美術博物館、東京都現代美術館、豊田市美術館、高松市美術館、等にパブリックコレクションがある。
メッセージ
私は高校生の時に、言葉の世界とは違うところに行きたいと思いました。これからどうやって生きていきたいのか、そのしるしとして美術がありました。たくさんのものを見て、自らつくり、誰かの作品や表現から何かを受け取り、理解してきましたが、そうやって学んできたことは、美術のことばと言えるかもしれません。
いろいろな種類の表現のことばを見ていくと、時代も地域も文化も習慣も違う人たちのつくったものや考えたことが、少しずつわかってきたように思えます。私たちが表現と呼んでいるものは、新しくつくられたことばや、以前からあったもの、誰かが工夫して考えたものを受け取って、別の何かと混ぜ合わせたことばが、時には読めたり伝わらなかったりすることを、面白がっていることなのかもしれません。誤解していることもあると思います。けれど他の誰かがつくった表現でも、自分のことの様に感じて面白がる力や使う技術のことを、ひとまず私の美術だとします。また美術作品だけでなく、かつての誰かが残した痕跡や振る舞い、生み出したことばが時間を超えて受け取れたりします。そうやって私たち自身も美術のことばをつむぎ、しるしていくことについて考える楽しさがあります。
私の関心は、接ぎ木的な絵画表現や、他者をどうやって理解できるのかということにあります。さまざまな人たちのことばや姿勢が、私の美術に接がれ、生きて語り直される、そのような形での表現を試みています。