堀 あきこ HORI Akiko

専門分野

ジェンダー・セクシュアリティ / フェミニズム / メディア文化 / 社会学

所属
  • マンガ学部 共通教員
  • 大学院 マンガ研究科

経歴・業績

大阪大学大学院博士課程前期修了、修士(人間科学)。その後、男女共同参画センター職員、大学非常勤講師等を経て、関西学院大学社会学部メディア・コミュニケーション学専攻助教から本学へ。著書に『欲望のコード』(臨川書店)、共編著に『BLの教科書』(有斐閣)、共著に『오타쿠 문화와 표현의 자유』(オタク文化と表現の自由、ソウル大学校日本研究所)『基礎ゼミ ジェンダースタディーズ』(世界思想社)、『ジェンダーで学ぶメディア論』(世界思想社)、『BLが開く扉』(青土社)など。

メッセージ

私は、ジェンダーやセクシュアリティ、フェミニズムという視点から、マンガ・ドラマ・映画などのポピュラーカルチャーを研究しています。また、SNSで女性の描かれ方がどのように議論されているのか、トランスジェンダーに対する差別的な言説がどのように生まれるのか、といった分析も行っています。
私の研究の大きな柱の一つが、「BL(ボーイズラブ)」です。BLは男性同士の恋愛や性愛を描くジャンルですが、作り手や受け手に女性が多いという特徴があります(実際には様々なジェンダーやセクシュアリティの人びとがBLを楽しんでいます)。これを研究の視点から整理すると、次の二つの問いが見えてきます。
 
・ジェンダーの視点: 「なぜ、女性の愛好者がこれほど多いのか?」
・セクシュアリティの視点: 「物語の中で、男性同士の愛はどう描かれているのか?」
 
この二つの問いは切り離せない関係にあります。そこから「当たり前とされる性のあり方」を問い直すクィア・スタディーズという学問領域へとつながっていきます。
 
では、なぜBLを研究することが重要なのでしょうか。
それは、ジェンダーやセクシュアリティが、社会の「〇〇であるべき」という目に見えないルール(規範)や、知らず知らずのうちに生まれる差別・権力構造と深く関わっているからです。
BLを分析してみると、面白いことがわかります。既存の「男らしさ・女らしさ」という古い価値観を打ち破るパワーを持っている一方で、「恋愛とはこうあるべき」という異性愛規範(男女の恋愛像)を無意識になぞってしまっている側面もあるのです。
 
「BLを分析することは、社会そのものを分析すること」。
 
複雑に絡み合ったこの文化を読み解くことは、私たちが生きる社会が今どうなっていて、どこへ向かおうとしているのかを考えることと同じです。現在は、インターネットを通じて世界中に爆発的に広がった「グローバルなBL人気」にも注目し、研究を深めています。