中村 裕太 NAKAMURA Yuta

専門分野

現代美術 / 工芸文化論

所属
  • 芸術学部 共通教員
  • 大学院 芸術研究科

経歴・業績

1983年東京生まれ、京都在住。2011年京都精華大学博士後期課程修了。博士(芸術)。京都精華大学芸術学部准教授。〈民俗と建築にまつわる工芸〉という視点から陶磁器、タイルなどの学術研究と作品制作を行なう。近年の展示・プロジェクトに「第20回シドニー・ビエンナーレ」(2016年)、「あいちトリエンナーレ」(2016年)、「柳まつり小柳まつり」(ギャラリー小柳、2017年)、「MAMリサーチ007:走泥社─現代陶芸のはじまりに」(森美術館、2019年)、「ツボ_ノ_ナカ_ハ_ナンダロナ?」(京都国立近代美術館、2020年)、「丸い柿、干した柿」(高松市美術館、2021年)、「万物資生|中村裕太は、資生堂と  を調合する」(資生堂ギャラリー、2022年)、「眼で聴き、耳で視る|中村裕太が手さぐる河井寬次郎」(京都国立近代美術館、2022年)、「第17回イスタンブール・ビエンナーレ」(バリン・ハン、2022年)。著書に『アウト・オブ・民藝』(共著、誠光社、2019年)。
 

メッセージ

日本において「工芸」という領域は、明治期に美術と工業の間で形成されました。そして、今日においてその言葉は、一つに職人の手による技巧的な美術工芸を意味し、もう一つに機械によって量産される産業工芸を意味しています。しかしながら、美術と産業に舵をきった工芸の近代化を俯瞰してみると、しばしば工芸という言葉に内包されていたはずの「生活」という視点が欠けていることに気がつきます。言い換えるならば、それぞれの土地の素材や技術によって作られ、使われてきた工芸品には、近代的な社会が見落としてきたものが潜んでいるのではないでしょうか。

私の制作は、そうした近代以降の土着的な文化を「民俗と建築にまつわる工芸」という視点から紐解いていくことを目的としています。特に、日本の近代化のなかで工芸の周縁に位置付けられてきた陶片やタイルに関心を向けています。

作品・著書・研究活動など