南 了太 MINAMI Ryota

専門分野

産官学連携論/京都学

所属
  • 人文学部 共通教員

経歴・業績

1980年、京都市生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士前期課程社会学専攻修了(社会学修士:修士論文テーマ「イベント祭りと地域活性化—西陣千両が辻伝統文化祭の事例—」)。大学院修了後、経済産業省の外郭団体のNEDO技術開発機構に入社し、NEDOフェロー(若手産官学連携養成者)として同志社大学リエゾンオフィス・知的財産センターへ出向し産官学連携の推進に従事する。その後、金沢大学TLOで知財管理や特許ライセンス業務、京都大学産官学連携本部では組織対組織の産学連携の推進や共同研究の推進、京都アカデミアフォーラムin丸の内の立ち上げ、子会社の立ち上げ、地域連携に携わる。産官学連携の支援業務を約10年以上し特に人文社会系分野の知の活用を得意とする。

メッセージ

私の専門は、産官学連携と京都学です。
産官学連携とは、1社ではできない取組を他の関係機関と連携を図り、様々な相乗効果を生み出す取り組みです。そのツールがあれば商品開発や産業活性化、地域活性化にも応用が可能となります。一般的には理工農医歯薬系の知見を活用し、技術開発をし、イノベーションを起こすことが従来なされてきた産官学連携ですが、それ以外にも「新しい価値創出はどうすればよいか」、「将来の社会はどうなっているか」、「新しい発想はないか」、「海外の文化様式を理解して商品開発をする」といったテーマは人文社会系・芸術系の知が十分活用できるものです。しかしながら産官学連携はここ25年間、法的制約下で理工農医歯薬系分野しか着目されてきませんでした。先行き不透明で新たな価値が求められる中、本知識の活用が急速に求められています。人文社会系・芸術系の知識をどのように活用すれば産業界、地域に貢献ができ相乗効果が生まれるかについて関心があります。
京都学については、京都地域を社会学的な手法で理解することを目的としています。社会学的な手法とは、人と人、人と地域、人と文化などそれぞれを社会として捉え、その関係性や社会現象を明らかにすることです。高校の答案のように答えは一つではなく解釈により答えは様々で、得られたデータから様々な発想ができるかが社会学の魅力です。以前、西陣織で有名な京都西陣地域の中でも「ほんまもんの西陣」と呼ばれる千両が辻地域の3町内のフィールドワークをし、町家や西陣織の実態調査や地域活性化に向けた住民主導の祭りを参与観察しました。千両が辻とは江戸時代に1日千両の貨幣が動き日本で最も栄えた街の1つで、織屋の旦那衆を通じて伏見の酒や花街、清水焼が発展し京都文化の根幹をつくった地域で西陣を理解することは京都文化を理解することにもつながります。経済的には豊かな街でも先行研究では「義理の共同体」(上田篤)と呼ばれる同業者間の激しい争い故、隣人間で必要最低限の付き合いしかない独特な地域でしたが、新しい町家コミニティ—の中で、多少の友愛関係はあるものの見栄とプライドを大事にし、決して連帯しない姿を明らかにすることができました。
産官学連携も京都学も住民や地域、企業と出会い、様々な学びを得て、新たな発見をすることで自分が当たり前と思っていたことが覆され、自省し、自己成長することができます。ぜひ既存の価値観を見つめ直し新しい価値を創出しましょう。