関根 康正 SEKINE Yasumasa

専門分野

文化人類学 / 南アジア研究

所属
  • マンガ学部 客員教員

経歴・業績

東京工業大学工学部土木工学科卒業。同大学院理工学研究科修士課程(地域計画専攻)を修了。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)大学院(人類学・社会学専攻)に留学し、社会人類学のMAとPh.Dの学位を取得。Ph.D. of Social Anthropology(University of London)。
 
東京工業大学工学部人文社会群文化人類学研究室助手、学習院女子短期大学人文学科文化史専攻専任講師・助教授・教授、筑波大学歴史・人類学系助教授、日本女子大学人間社会学部現代社会学科教授、関西学院大学社会学部教授(定年退職)を歴任。その間、国立民族学博物館の併任教授、客員教授、客員研究員や、ロンドン大学SOAS(東洋アフリカ研究学院)客員研究員、神奈川大学アジア研究センター客員研究員などを務めた。
 
日本南アジア学会常任理事・編集委員長など、および日本文化人類学会評議員・理事・監事などを歴任。また公益信託澁澤民族学振興基金運営委員会委員・委員長などを歴任。第26期日本文化人類学学会会長。Advisory committee member of WCAA (The World Council of Anthropological Associations)。第14回日本文化人類学会賞授賞。
 
専門は、南アジア社会および南アジア系移民社会の文化人類学。主要な研究テーマは、居住空間の人類学、カースト社会論、ケガレ観念と不可触民に関する研究、宗教空間及び宗教対立の実相に関する研究、<都市的なるもの>の人類学、ネオリベラリズムに抗する<ストリート人類学>、ヘテロトピア・デザインをめぐる実践人類学、被差別民解放運動における当事者性の研究など。
 
単著
 Theories of Pollution : Theoretical Perspective and Practice in a South Indian Village (Monumenta Serindica No.21), Tokyo : Institute for the Study of Languages and Cultures of Asia and Africa、1989年
 『ケガレの人類学:南インド・ハリジャンの生活世界』東京大学出版会、1995年
 『宗教紛争と差別の人類学』世界思想社、2006年
 Pollution, Untouchability and Harijans:A South Indian Ethnography、Rawat Publications、2011年
 
共著
 『スリランカの祭』岩田慶治、井狩彌介、鈴木正崇との共著 工作舎、1982年(毎日出版文化賞受賞)
 From Community to Commonality: Multiple Belonging and Street Phenomena in the Era of Reflexive Modernization Center for Glocal Studies, Monika Salzbrunnとの共著、Seijo University、2011年
 『社会苦に挑む南アジアの仏教:B.R.アンベードカルと佐々井秀嶺による不可触民解放闘争』根本達・志賀浄邦・鈴木晋介との共著、関西学院大学出版会、2016年
 
編著
『<都市的なるもの>の現在:文化人類学的考察』東京大学出版会、2004年
『排除する社会・受容する社会:現代ケガレ論』新谷尚紀との共編著、吉川弘文館、 2007年
『ストリートの人類学 上巻、下巻』国立民族学博物館、2009年[10][11]
『フィールドワーカーズ・ハンドブック』世界思想社、共編著、2011年
『ストリート人類学:方法と理論の実践的展開』風響社、2018年

メッセージ

人は生きる価値があるから生きているわけではない。人が生きるということは、生きることによって自分の生に価値を詰め込むのである。これは、世界で最も貧しい大統領であり世界で最も豊かな心を持った大統領である、南米の小国ウルグアイの元大統領であったホセ・ムヒカ氏が語ってくれたことである。私はその通りだと思い、深く共感している。私が専門にしている人類学は、現地での長いフィールドワークを実践するのだが、私の場合はインドの人たちと長く交わってきた。村で暮らし町で暮らしながら、多くの人の生きざまを目撃してきた。それぞれの人が価値を生み出し詰め込んでいることに感動をしてきた。私の生きざまもそれによって育てられてきた。有り難い学問であるとしみじみ思っている。よかったら一緒に勉強しましょう。

作品・著書・研究活動など