ソーシャルデザイン・プログラム

社会とつながるプログラム2

身近にある
“社会を変える方法”
を発見する

→ ソーシャルデザイン・プログラムのねらい

自分が生きる社会に目を向ける

 人文学は、「人は何のために生きていくのか」という大きな問いを手がかりに、過去の文献をひもとき、自分が生きる社会へと目を向ける学問。そして、人文学の仕事は、自分自身を出発点に、自分が生きる環境、この世界をどう捉えるのか? と視野を広げ、そこで見つけた課題の解決方法を考え、他者と共有することです。

ほしい未来を自分たちの手でつくる

 日々の暮らしのモヤモヤからグローバルな課題まで、社会の課題を楽しく解決しながら、ほしい未来を自分たちの手でつくる「ソーシャルデザイン」というキーワードが注目を集めています。その考え方を取り入れながら、人文学を学んで得た知識や考察力を、社会課題の解決に活かしていく基礎的な応用力を身につけるのが「ソーシャルデザイン・プログラム」。自分の身近な暮らしのなかにある課題を発見し、自由なアイデアで解決する方法を学びます。

世界の事例に学び、
課題解決に取り組む

 「ソーシャルデザイン・プログラム」は、2年次前期に週1回の授業を実施。ユニークな発想で社会の仕組みを変えた、国内外のソーシャルデザイン事例を講義で学んだ後、そこで得た知識や考え方をもとに、身近な人や地域の課題解決に取り組むワークショップを体験。他ならぬ自分自身と社会が、あらゆるところで関係していることを体感し、多面的に社会を見る目を養います。

人文学を社会に活かす方法を知る

 社会課題を解決するうえで大切なのは、現場の声をしっかりと聴き、対話を重ねることによって解決すべき課題を掘り下げていく力。「コミュニケーション・プログラム」をはじめとした、人文学部の学びで得た力をフル活用して、さまざまな分野で活躍できる“文系ソーシャルイノベーター”の輩出を目指します。

ソーシャルデザイン・プログラムの授業内容

2年次前期に15回にわたって実施。毎回、全体での講義と少人数クラスのワークショップで、実践的な課題解決の方法を学ぶ。

ソーシャルデザイン・プログラムの授業内容
 
 
〈身近な問題から考えるソーシャルデザイン例〉

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いらなくなった本を持ち寄り、好きな本と交換する本屋
インターネットで手軽に本が買え、街の中心部に大型書店が次々と現れる今、「近所の小さな本屋」は失われつつあります。本を手に取る機会が少なくなったことに寂しさを感じた学生たちは、地域住民の協力を得て、空き家を利用した小さな本屋を立ち上げました。ただし本は売っていません。自分のいらなくなった本を持参すれば、そこにある好きな本と交換することができるのです。
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18歳の選挙権について、高校生と一緒に考える
18歳の自分が選挙権をもつことを、どう考えればよいのか?国会で選挙権をもつ年齢を1 8歳以上に引き下げる法改正案が提出されたことを知り、学生は悩みます。ニュースでは「若者は未熟で選挙を理解していない」といった意見がある一方、「高齢有権者の比率が若年有権者の比率を大きく上回っているのは問題」という意見も。近隣の高校に出向き、これから18歳を迎える生徒と一緒に選挙について考える機会を提案しました。
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意外と知らない近所の店を取材し、「ご近所マップ」を作成
前は通るけれども一度も中に入ったことがない、というお店は意外と多いもの。また、看板をみてもどんな店なのかわからないこともしばしば。自分が暮らす街のことを知らないままではもったいないと感じた学生は街にどんな店があるのか調査し、店のPRや駐輪場の有無などのアクセス方法を記載したマップを作成しました。地域住民にも配布して、地元の魅力をみなおしてもらおうという取り組みです。
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捨てられるモノをみなおすアイデアをみんなで教え合う
ひとり暮らしをする学生にとって生活費の節約は欠かせないもの。自分が出すゴミの量の多さに気づいた学生は、自分がどれだけゴミを出しているのかを調べるようになりました。それをきっかけに、学生は捨てるものを減らす方法を研究し、さまざまなアイデアを考案。捨てられるものを活用したアート作品などを紹介しながら地域住民にも資源に対する理解を広げる交流の場をつくりました。

 
〈世界のソーシャルデザイン事例〉

世界へのまなざしが変われば、社会のさまざまな問題解決の糸口が見えてきます。
過去に「greenz.jp」に掲載された世界のソーシャルデザイン事例をいくつか紹介しましょう。

 
 

ニット・ブランド
「ゴールデン・フック」

(フランス)
Golden Hook
 フランスの「Golden Hook」は、編み物が大好きなおばあちゃんに手編みのニットアイテムをオーダーできるウェブサービス。ファッションデザイナーのジェレミー・エムセルムさんが、学生時代に自分がデザインしたニット帽に注文が殺到したとき、周囲のおばあちゃんに手伝ってもらったことがきっかけで始まりました。「Golden Hook」は、長年編み物に親しんできた高い技術力を活かすことで、おばあちゃんたちに元気に活躍してもらうことに成功した事例です。
 


“体も心も温まる!” 好きなおばあちゃんにマフラーを編んでもらえちゃうサービス「Golden Hook」(ハマ) 
http://greenz.jp/2011/01/26/golden_hook/
安全運転宝くじ
「スピード・カメラ・ロッタリー」

(スウェーデン)
安全運転宝くじ 「スピード・カメラ・ロッタリー」
 アメリカ人のケヴィン・リチャードソンさんが、フォルクスワーゲンが主催する「TheFun Theory(楽しい理論)」に応募し、賞を取ったアイデアです。道路の制限速度を守れば宝くじが当たるという仕組みを、スウェーデン・ストックホルムで試験的に導入。2万4000台の車を対象にした3日間の調査で22%も平均速度が下がるという結果が出ました。「楽しい!」という気持ちが、人間の行動を変えるパワーを持っていることを示す事例です。
 


制限速度を守れば宝くじに当たっちゃう! スウェーデン発、効果テキメンの新たな交通ルールとは?(的場裕子) 
http://greenz.jp/2010/12/03/speed_cameralottery/
1枚のチラシで28万人にPRした
広告代理店「Akcio360」

(ハンガリー)
1枚のチラシで28万人にPR した 広告代理店「Akcio360」
 読んだらすぐゴミ箱に捨てるチラシは、紙資源の浪費。ハンガリーの広告代理店「Akcio360」は、たった1枚のチラシで世界自然保護基金(WWF)への寄付を訴えるPR に成功しました。2名のボランティアにパンダの着ぐるみを着せ、ショッピングモールのエスカレーターの上下に配置。下でチラシを渡して上で回収し、今度は上でチラシを渡す……この様子を撮影した動画はネットで配信されて話題になり、28万人以上の人に活動が知れ渡ることになったのです。
 


パンダの着ぐるみペアがチラシ1 枚だけで取り組む、ユニークな街頭寄付プロモーションとは?(松岡由希子)
http://greenz.jp/2011/08/14/wwf_oneleaflet_donation/

 


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