世界をリードし、熱い注目を集める日本のマンガ。
その表現が刻々と進化する一方、発表媒体は変容し、市場も広がり続ける。
従来のかたちに捉われることなく、新たな表現を切り拓くマンガ家。
時に批評家として、時にプロデューサーとして、サポートする研究者。
次代のマンガ文化の担い手を、精華のマンガ研究科は育てる。
2006年に日本初のマンガ学部を、さらに2010年には日本初のマンガ研究科を開設するなど、精華は常にマンガ教育のトップランナーとして走り続けている。マンガを単なる資料として扱うのではなく、その表現の本質を明らかにしていくことで「マンガとは何か」を追究し続けている数少ない研究機関だ。さらに本学の研究機関「国際マンガ研究センター」や、京都市と共同運営している「京都国際マンガミュージアム」との連携により、いっそう幅広い研究が可能だ。
マンガ業界の第一線で活躍する現役作家や編集者に、国際学会で活躍するマンガ専門の研究家。マンガ研究科の指導教員の層の厚さ、指導法・研究実績の充実ぶりは、早くからマンガの可能性に注目してきた本学ならでは。また、制作系と理論系の学生のさかんな交流もマンガ研究科の特色のひとつ。制作者と理論研究者が隣り合って学ぶ環境により、互いの知識や問題意識を深め、多角的に研究を進めることを可能にしている。
日本のマンガは、社会のグローバル化に伴い、海外から大きな注目を集めているが、日本から世界に発信していくことも、マンガの研究拠点である精華の大きな役割だ。マンガ研究科では、院生が国内外の学会やコミックサロンに参加し、マンガ文化の世界的ネットワークを広げていく。また、留学生も多く、日常的に国際交流が行われている。こうした世界に目を向けた活動を通じ、国際的に活躍する人材の育成を目指す。

いま、世界のマンガをめぐる評論や調査研究の場で日本に求められているのは、マンガ研究をリードし、国際的にマンガ表現・研究のレベルを向上させることだ。そこで必要となるのは、より深い知識・表現能力である。
精華のマンガ研究科博士後期課程では、国内外のマンガ/コミック文化についての研究や海外文献購読などを通じ、国際的に活動できる高度な専門能力を身につける。また、他大学にはない制作系と理論系の両立や、国内外に広がるネットワークによって、マンガ表現のさらなる進化と、マンガ研究の新たな学問分野を築く人材の育成を目指す。
精華のマンガ研究科では、マンガ文化を紹介するだけでなく、積極的に海外の学術会議や展覧会に参加しています。たとえば、韓国で開催された学会や、シンガポールでの女性作家ワークショップ、ドイツでの国際コミックサロンなどでは、マンガ研究科の院生たちが研究・制作の発表を行い、世界の作家や編集者、マンガ読者たちと交流。院生自身がネットワークを築くことで、国際的なマンガ研究のイニシアチブを取ることのできる人材へと成長していきます。

マンガは広く社会で愛されているものの、マンガの研究成果を一般に公開、発表する場はそれほど多くありません。そんななか、京都精華大学の研究機関である国際マンガ研究センターでは、京都国際マンガミュージアムで公開研究会を定期的に開催。その一環として、2011年7月には院生が修士論文作成にむけて研究成果の中間報告会を行い、研究者に限らず、一般の聴講者も多数参加しました。研究活動を社会に問い直すことで、マンガ文化をめぐる新たなコミュニケーションが生まれています。
マンガ研究科 公開研究発表会(2011年7月16日)での発表内容はこちらからご覧いただけます。
2011年5月に京都国際マンガミュージアムで開催された「五人五色展」は、院生がプロデュースした展覧会。現役作家である本学教員5名の作品の特徴を活かす展示方法を考え、自ら設営も行いました。たとえば、さそうあきら『富士山』の展示では、文学的といわれる作品の特徴を活かし、セリフやモノローグを拡大して展示。また、理論系の院生が各教員にインタビューを行い、その作家性や作品世界を解説したミニブックを作成、鑑賞者に配布しました。

「ReversePoint」は14ページのマンガ2作品。ひとつは縦書き(右開き)のマンガ、ふたつ目は横書き(左開き)のマンガである。縦書きで話す男子主人公と、横書きで話す女子主人公それぞれの視点から同じ内容を語り、両作品の最後の14ページ目で一緒のページになるように構成されている。
シンボリズムの手段を通して、全体主義に支配されている民族に対する影響、また、それによって生じた恐怖心をマンガのイメージで炙り出して示すことが本作の意図である。


家族をテーマにしたマンガ作品『後藤家!明るい家族会議』『相田さん家のファミリーDays』を制作。2作品の絵柄、画面づくり、マンガの描き方を意識的に変えた。どちらも商業誌で掲載された作品。
小さい頃から日本のマンガやアニメが好きで、ドイツの大学では日本学を専攻していました。大学時代にドイツで初めて創刊された少女マンガ誌でデビュー。ドイツ初の女性マンガ家となりましたが、日本でマンガを学びたいという思いは消えず、マンガを専門に研究できる精華の大学院を選びました。
いま制作しているのは、私的な日記形式の作品。京都でのいちばん大切な体験を記憶に残したくて描き始めました。ネームは完成しましたが、「デッサンのようにラフな線で描いてみては?」という先生や友人たちの意見もあり、試行錯誤している最中。この作品は、日本とドイツの両方で出版できれば、と思っています。

「マンガの『批評力』をめぐって」というテーマで研究を行っています。僕が興味があるのは“これまでに作品というものがどう論じられてきたか”という言説論です。作品そのものが持つ社会や読者に対する問いかけとは別に、語られることによって帯びてくる批評性があるのではないか。その考えを基に、ゼロ年代以降に語られてきたマンガの作品分析なども織り交ぜていくつもりです。
違う大学を卒業しましたが、マンガを専門とする研究科がある精華の大学院は魅力的でした。実際、制作者とともに学べる環境は貴重なもの。幅広い視点を得ることができます。

4研究科を横断して履修することのできる「共通基盤科目」と「専門特講科目」では、専門領域や社会の一線で活躍する方々を講師に迎え、より実践的な教育・研究環境を提供します。各研究科の「専門研究科目」では経験豊かな研究指導教員により、個々の研究テーマに沿って徹底した指導を行います。
京都精華大学 教務部教務課(大学院担当) Tel:075-702-5119 Mail:kyoumu@kyoto-seika.ac.jp