アニメーションは、無限大に広がるイメージをゼロから「動き」としてつくり出します。精華のアニメーションコースでは、アニメーションの原点である「動き」を考察し、手で描く力と、デジタルの理論と技法、企画の立て方から音響の使い方までを広く学びます。世界に誇る日本のアニメーションのもつ芸術性、エンタテインメント性を継承する新しい表現の可能性を探っていきます。
表現の基本は手で描くこと。まずは描画能力を鍛え、そのうえでいまや不可欠となったデジタルアニメーションの理論と技法を学びます。実写映像が1秒間を24コマに分割して定着させる「動きの再現」であるのに対し、アニメーションは1コマ1コマの連なりで描き出す「動きの創造」。表現の原点となる「動き」とは何かを知り、「動きの文化」であるアニメーションの本質を理解したつくり手として活躍することをめざします。
教員は、アニメーションの創造と発展に尽力してきた第一線のプロばかり。企画の立て方から音響の使い方まで、経験と実践にもとづいた指導を受けることができます。そのため、設備も本格的なプロ仕様。5.1chサラウンド対応の音響スタジオや、ストップモーションスタジオなど、他大学でも類を見ない設備が整っています。これらの環境を利用し、テレビCMやイベントのOPアニメなど、企業からの制作依頼にも取り組んでいます。
アニメーションの進化・発展の歴史を知り、体系的に理解するための講義も数多く用意。日本のアニメーション草創期の名作やディズニー作品を鑑賞し、作品・作家研究も行います。なかには、教員自身が制作に関わった作品もあり、プロの技術や現場の雰囲気など貴重な話がきけることも。また、実写や特殊撮影を含めた映像表現全体の視点から、アニメーション表現を読みとく講義もあります。
精華のアニメーションコースのすごいところは、先生がみんなアニメーション業界のプロであること。また、授業以外にも作品をつくる機会が多くあって、実践的に学べるのもいいですね。
たとえば、滋賀県のテレビ局の環境CMの制作。今年は「びわこちゃん」「びわこおおなまず」の2本を制作しました。「びわこちゃん」のほうは、キャラクター設定から監督までをぼくが担当。人間の手のぬくもりを感じるような質感の表現にこだわって、手描きの絵にパソコンで水彩風に色を置いてあたたかいイメージのアニメーション作品に仕上げました。
CMをつくって気づいたのは、アニメーションのおもしろさはグループ作業だということ。ひとりより、みんなでアイデアをぶつけ合ってつくるほうが絶対にいいものができます。卒業したら、アニメーションの世界でプロになる人も多いはず。何年か経ってそれぞれが力を付けたら、もう一度みんなで作品をつくりたいですね。
山本 征宏 3年生 京都府立莵道高等学校出身
プロも使用している高性能な機器を揃えた音響スタジオ。映像に音声や効果音を録音・編集もできる。
一コマずつ物体を動かし映像化するストップモーションアニメーションの作品づくりができるスタジオを完備。
アニメーションの現場で即戦力となることが期待される。映像を操作するさまざまな技術を身につけるため、そのほかの映像分野に進出することも可能だ。
すぐれた技術を備えたクリエイターとして、アニメーション制作会社などで活躍できます。最近は、ユニットを組んで監督、制作、発信までをこなすグループも登場しています。
映像プロダクションのほか、ゲームやCGのコンテンツ制作など、さまざまなデジタルメディアでも、アニメーションの制作技術を発展させ活用することができます。
世界中から注目を浴びる日本のアニメーション制作者に直接学んだ感性と知識は、さまざまなコンテンツを発掘し、プロデュースするときにも役立ちます。