惠阪 友紀子先生インタビュー

2016/03/04

 
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Q.古典を好きになる方法を教えてください。

A.「好きだな」「楽しいな」という感覚を手がかりにしてください。

現代のものも、過去のものも、書かれた作品は作家の手を離れた瞬間に、読み手の自由だと思っています。同じ歌を詠んでも、楽しい気分になる人もいれば悲しい気分になる人もいます。同じ歌を聴いているのに、楽しい気分になる日もあれば悲しい気分になる日もあります。それは、和歌でも歌謡曲でも同じだと思うんです。

たとえば、「恋」には、「恋い焦がれる」「燃え上がる恋」など「火」に関連する表現がありますよね。歴史的かなづかいで見ると「恋」は「こひ」。「ひ」は「火」の掛詞だから、燃え上がったり焦げてしまったりするわけです。文字が変わっても「恋は熱くなる」という意識は脈々と受け継がれているんですね。

言葉や文字、習慣は変わってしまっても、人間の本質は変わりません。好きな人ができたら伝えるための歌を歌い、悲しいときにもうれしいときにも歌を歌う。伝えられてきた変わらない思いのどこかに共感することから、きっと古典の理解ははじまります。

「わかるな」「きれいだな」「好きだな」「楽しいな」。自分の感覚を手がかりにして、身近なテーマから古典への入口を見つけてもらいたいと思います。

 
 
 
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惠阪 友紀子(ESAKA Yukiko)
京都府京都市生まれ。関西大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程後期課程修了。博士(文学)。著書に『新撰万葉集注釈・巻上(二)』(共著、和泉書院、2006)、『元良親王集全注釈』(共著、新典社、2006)、『古筆の楽しみ』(共著、武蔵野書院、2015)、など、主な論文に、「『和漢朗詠集』の増補詩歌」(『国語国文』79号、10年9月)、「関西大学図書館蔵生田本『和漢朗詠集』と朗詠江注」(『中古文学』86号、10年12月)などがある。
 
 

 
 

 

 
 
 

 


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