惠阪 友紀子先生インタビュー

2016/03/04

惠阪 友紀子先生

「平安時代、本を読むことはもっと創造的な行為でした」

口ずさみ、書き写して体感する文学の世界を知る「日本中古文学」


 
2016年4月に人文学部教員に就任予定の惠阪友紀子先生にインタビュー。
ご自身の研究テーマや、これから人文学部の学生に伝えたいことについてお話を伺いました。

惠阪先生の専門は「日本中古文学」。和歌と日本の漢詩、中国の漢詩を並列に並べて編纂した『和漢朗詠集(わかんろうえいしゅう)』を中心に研究されています。「平安の文学は活字ではわからない」という惠阪先生。美しい写本を見ること、音で感じること、当時の習慣を知ることなど、“文字以外から学ぶ文学”についてお話を伺いました。
 


 
 
 

Q.先生はなぜ現在の研究テーマを選んだのですか?

A.出発点は百人一首。五七調のリズムに取り憑かれたのが始まりでした。

原点は、母方の実家にあった昭和初期の百人一首。最初に夢中になったのは絵札の美しさでしたが、やがて五七調で読まれる和歌のリズムのとりこになりました。漢詩を好きになったきっかけは、中学生の古典の教科書にあった「年々歳々花相似 歳々年々人不同(年々歳々花相似たり歳々年々人同じからず※)」という句。七言二句、たった14文字なのにすごく広い世界を感じたんです。

和歌には字余りがありますが、漢詩にはありません。五言なら五言、七言なら七言できちっと並んでいることにも心惹かれて。それまでは漢字が苦手だったのに、この句から漢字も漢詩も好きになったのですから、人生には何が起きるかわかりません。

「年々歳々花相似 歳々年々人不同」の句に再会したのは、大学3回生の演習で読んだ『和漢朗詠集』の「無常」の項目でした。「これは運命の出会いだ。私はこの作品を読むべきだ」。そう思って、「無常」の項目を卒業論文のテーマにしたんです。

でも、大学4回生で「無常」を扱うのはなかなか難しくて(笑)。書ききれなかった悔しさから大学院に進学。たった14文字の句が、今の人生のきっかけになったと思うと感慨深いです。
 
 
※唐の詩人 劉希夷の作品「代悲白頭翁」の句

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