加美 甲多先生インタビュー

2016/01/14

 
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Q.精華大学で「文学する」ことにどんな期待がありますか?

A.説話からの創作、現代の説話集の編纂もできるかもしれません。

文学は、過去の人々の暮らしや感覚を追体験できるメディア。過去の文学からその時代の人々に触れることは、自分を客観視させてくれると同時に、自分が今見ているもの、感じているものの捉え方を広げてくれることにもつながるのです。文学を読むという作業は、自分の人間としてのスケールを大きくしてくれる可能性をも秘めているとも言えます。

説話は、もともと口承で伝わってきたものを編纂したものですので、他の媒体になりやすい性格を持っています。たとえば「今昔物語集」は芥川龍之介の文学作品や、水木しげるの漫画作品の題材にもなっています。無住の作品も題材になりえると思いますね。京都精華大学には芸術系の学部がありますので、いろんな学生と話し合えることも期待しています。

説話は、当時の人の噂をもとにして、虚実ないまぜにして書きあらわしたもの。見方を変えれば、現代のワイドショーで扱われる話題も、しっかりと脚色して文章にすれば説話になりえます。京都精華大学なら、すごい説話を書いてくれる人もいそうですし「精華説話集」を作るような試みもできると面白いですね。

古典には、現代の感覚では書けないような世界観が描かれています。今とは突き抜け方の次元がちょっと違うな、と思うことも多々あります。古典の面白さを新しい感覚で受けとめてもらえるような授業をしていきたいと思います。

 
 
 
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加美甲多(KAMI Kouta)
兵庫県神戸市生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士後期課程国文学専攻修了。博士(国文学)。著書に『無住 研究と資料』(共著、2011年)、『論集 中世・近世説話と説話集』(共著、14年)、『日本文学とその周辺』(共著、14年)など、論文に「『沙石集』の笑い」(『説話・伝承学』第17号、09年3月)、「『沙石集』における譬喩経典受容の在り方」(『仏教文学』第35号、11年3月)などがある。
 
 

 
 

 

 
 
 

 


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