岩本真一先生インタビュー

2015/06/18

 

岩本真一05

Q.歴史を学ぶことは、社会に出たときに役立ちますか?

A.「予測不可能な現実に、対応する方法論を持つことができます」

「歴史や文学は、社会に出たときに役に立つのか?」。よく学生から質問されます。いつも言うのは、「社会ですぐに役立つようなことは、すぐに役に立たなくなるよ」ということですね。現実は常に多様なので、「直接役立つ知識や技術」よりも「より多くの状況に対応できる方法論」を持つほうが有効だと思います。
 
大学での学びは、たとえるなら武道における「型」のようなもの。多くの型を習得しておくと、何が起きるかわからない真剣勝負において、状況に対応できる方法を持つことになります。
 
残念ながら、歴史を学んで、それがそのまま社会に役立つことはありません。しかし、歴史的なできごとを理解しておくことが、未知の状況に対応する手がかりになります。スペインの哲学者オルテガは「過去は、われわれが何をしなければならないかは教えないが、われわれが何を避けねばならないかは教えてくれる」と言いましたが、これこそ歴史を学ぶ意味なのです。
 
歴史を学んでも「これから何をするべきか」という方向を知ることはできません。しかし「これをやってはいけない」ということはわかってきます。歴史を学ぶことによって、より広い意味での社会への貢献というものは絶対にありえるし、それは「すぐに役立つかどうか」という短期的な視点での貢献よりも意味のあることだと思います。
 
 
 
 

 
 


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