岩本真一先生インタビュー

2015/06/18

岩本真一02

Q.なぜ、「近代日本」を研究のテーマに選んだのですか?

A.「自分のなかでもやもやしていた問題を解く手がかりを得たからです」

僕は、中学生の頃から「将来は文化人類学者になって中国の奥地でフィールドワークをしたい」と夢見ていました。そこで、学部から博士課程まで文化人類学を研究できる大学を選択。授業は非常に面白く、かなり真剣に勉強していました。
 
ところが、若かった僕には「文化人類学を学ぶこと」と「今自分が生きていること」のつながりが見えなくて。今、考えればちゃんとつながりはあるんですよ。でも、当時はわからず、「これを一生研究するのは無理だ」と深い挫折感を味わい、研究者の道を諦めかけていました。
 
そんなときに偶然出会ったのが、池田元先生の「日本政治思想史」の授業。池田先生の講義を受けていると、自分がモヤモヤと抱えていた問題がキレイに整理され、説明されていき、「あ、こういう勉強は楽しいな」と思えたのです。
 
たとえば、小学生の頃から感じていた「みんなが同じであること」が無言のうちに重んじられる同調圧力に対する違和感。これは単に、僕の個人的な問題である以上に、日本の近代において歴史的に形成された、社会構造的な問題につながっているとわかってきました。
 
先生の授業は、まさに「自分が生きている感覚とつながっている」と感じられ、池田先生のもとで学びたいと思いました。そして、このときから「日本の近代って何だろう?」という問いについてずっと考え続けることになったのです。
 
 

岩本真一03

夏目漱石が2年に亘るロンドン留学中に住んでいた家。ここに漱石は「立て籠り」「夏目狂セリ」とまで噂された。どんなに暗い場所かと思って実際に訪れてみると、緑に囲まれた美しい場所でびっくりする。だがこの対照にこそ漱石の思想的苦闘が表われていることが、現場を訪れることで初めて理解できる。ロンドンは、日本の文学・思想が近代と出会い、そして格闘した場所である。

 
 
 
 

 
 


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