岩本真一先生インタビュー

2015/06/18

岩本真一01

「歴史は未来志向の学問。明日のために過去に学ぶのです」

“ 歴史資料”として文学を読み、近代日本を問う「近代日本思想史」


 
歴史というと「過去のもの」というイメージが強いですが、岩本先生は「歴史は未来のためにある」と言います。歴史は未来を予言してくれるわけではありませんが、「何をしてはいけないか」を教えてくれるからです。現代において、ひとりの学生が歴史を学ぶことにはどんな意味があるのでしょうか。ご自身の学生時代を振り返っていただきながら、岩本先生にインタビューでお話を伺いました。
 


 
 
 

Q.先生の研究テーマは何ですか?

A.「文学をテキストとして、近代日本の思想を考えることです」

「思想史」とは、特定の分野にこだわることなく、ある時代における見方や考え方を全体的に把握しようとする学問です。「思想史」というと「哲学や思想を学ぶ」と誤解する学生も少なくないのですが、思想史が扱うのはあくまで歴史。時代状況とセットで考えるという点において哲学とは大きく異なります。
 
僕の研究テーマは「近代日本思想史」。学生時代から、「日本の近代はどんな風に成立し、どんな問題を抱えているのか」「今後の日本はどういう方向へ行くべきなのか」を考えてきました。
 
近代とは、幕末・明治維新期の19世紀半ばから1930年代までの時代区分。この時代に、人々は血縁やムラなど共同体のしがらみから自由になろうとしました。しかし、人々は好きな土地で、好きなように暮らす自由と引き換えに「誰とも価値観を共有できない」という新たな問題に直面します。
 
バラバラになってしまった個人に、イデオロギーを与えて束ねようとしたのが「ファシズム(全体主義)」です。第二次世界大戦を経てファシズムは失敗しましたが、近代以降に直面してきた「人と人の関係はどうあるべきなのか」というテーマは現代に引き継がれています。
社会は、人と人の関係の総体。このテーマは「これからどんな社会を作って行くのか?」という問いにも重なり合います。
 
僕は、近代日本という時代の思想を、文藝批評家と言われる人たちを通して、明らかにしようとしています。日本近代文学は、西欧文学の影響を受けながらも、前近代的な日本との関係のなかで生まれました。だからこそ、文学および文藝評論家を通して考えるという方法が有効なのです。
 
 
 
 

 
 


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