中島勝住先生インタビュー

2015/04/03

中島勝住05

Q.これからどんな研究をしたいですか?

A.「逆転の思想で、小規模学校の持つ可能性を明らかにしたいです」

学校統廃合は、「ムダなものは省く」という経済合理性の論理を根拠に行われます。でも、その後に地域がどうなっても世の中は知らん顔。後のことは、個人の努力に委ねられます。コミュニティの核となるものが失われた以上、もう個人ではどうにもできないにも関わらずにです。
 
僕は、自然にものごとが転変するのはしかたないけれど、人々が生きてきた証となるものに対して敬意を払うべきだと思います。経済合理性の論理を適用してはいけないものもあり、それを問い直さないとこの国は大変なことになってしまいます。
 
そこで、僕は逆転の発想でものごとを見ていきたいと思うんです。たとえば、「生徒数が少ないからいい教育ができない」というのが学校統廃合の論理です。「ある程度の生徒がいないと切瑳琢磨できない」と言うのですが、僕は「本当にそうなのか?」と疑問を持っています。むしろ、逆じゃないのか?と思うんです。
 
1クラスの人数が少なければ、子どもが授業に参加する機会は高まり、多人数クラスの子どもよりも社会性を身につけられます。また、学校統廃合の理由として2つ以上の学年をまとめた複式学級の解消も挙げられていますが、複式学級には教え合いと学び合いが自然と起きるなどさまざまなメリットがあります。
 
僕は、これ以上の学校統廃合をやめるべきだと考えています。現在は、小規模学校で少人数教育を実施している学校を対象にして、その地域の住民や学校関係者からの聞き取り調査を行い、地域と学校の新しい関係を探っています。
 
ものごとに新しい光を当てて見るためには、「なぜそうなのか?」という歴史、モノやコトの来歴を知っておくことも大切です。そのうえではじめて自由な思考が可能になり、逆転の発想というものも生まれてくるのです。
 
 

屋久島町口之永良部島金岳小学校給食風景

屋久島町口之永良部島金岳小学校給食風景

 
 
 
 
中島勝住プロフィール
中島勝住(NAKAJIMA Masazumi)
長崎で生まれ、高校時代は福岡で過ごす。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。最近は文化としての学校に関心があり、学校と差別、学校と地域、学校のモノ・コト、学校建築、学校の統廃合などを研究している。著書に『マンガで読み解くマンガ教育』(共著)、『むかし学校は豊かだった』(共著)、『学校の境界』(編著)、『反差別教育としての人権教育』、『学校のモノ語り』(共著)、『多文化教育』(共著)など。
 
 
 
 

 
 


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