ウスビ・サコ先生 インタビュー

2014/09/18

 

Q.これからどんな研究をしたいですか?

A.「研究の成果を社会へと還元させていきたいです」

 
 今までの私の研究は、調査をして資料を整理して論文を書いて発表をする、いわゆる研究者としての仕事が中心でした。研究者としての業績にはつながりますが、いろんな地域で学んだことを還元することにはつながっていません。
 
 地域での調査研究をしていると、よく「私たちはこの研究から得るものはありますか?」と問われるんです。こんなに学ばせていただいたのに、何も返すものがないのは心苦しいという気持ちがあります。これからは、地域と関わるときには一緒に場づくりを考えていく役割をしていきたいと考えています。
 
 ここ数年は、過疎地研究を始めています。昨年、南山城村の旧高雄小学校をリノベーションしてサロンと図書館を作るプロジェクトに参加しました。コミュニケーションスペースにしようと思ったのですが、みごとに誰も来てくれません(笑)。地域の住民に調査してみると、お風呂や囲碁ができる場所、カラオケなどお互いに関わりを持てる空間を求めていることがわかりました。
 
 地域には、そこに住む人たちのアイデアがたくさんあります。私はその秘書になってアイデアをまとめ、地域のコミュニケーションを促進して行けたらいいなと思っています。
 
 私の研究の面白いところは、人間を知ることができるということに尽きます。世の中には本当に面白い人間がたくさんいて、みなさんの話を聴けば聴くほど「俺はまだまだやな!」と感じさせられます。どんな人でもすごいところがあって、そこに触れることが私自身のエネルギーにもなっているんです。
 
 
 
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プロフィール
ウスビ・サコ(Oussouby SACKO)
1966年、マリ共和国の首都バマコ生まれ。高校卒業後、中華人民共和国・北京語言学院(現・北京語言大学) に留学。南京東南大学で建築学、大学院で建築デザインを専攻。その後、京都大学大学院工学研究科の修士課程を経て京都大学大学院建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。現在は京都精華大学人文学部教授。研究対象は住宅計画・住まい・住み方の研究。住宅デザインと生活様式の関連を様々な国で調査している。著書に『知のリテラシー・文化』、論文に「バマコの集合居住の生成と中庭型在来住宅の形成過程の考察」、「建築のリノベーションとコミュニティの再構築の可能性─南山城村高尾地区旧高尾小学校再利用プレ調査を通して」、「廃校になった小学校の活用と共同体の変容・再生について──京都の事例研究に基づいて──」など。
 
 
 
 

 


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