泥から生まれる「世界でいちばん美しいかたち」。

土と火と、そして手。陶芸という芸術は、きわめてシンプルな素材と道具で成り立っています。そこにつくり手の個性や風土がからみ合い、世界各地でさまざまな技法や表現スタイル、それぞれの土地に根ざした陶芸作品が生まれてきました。自然が相手だから、つくり手の意図を超えて、作品の幅はどんどん広がっていきます。
頭に描いたイメージを実現させるためには、手びねり、鋳込み、ロクロ、タタラなど、さまざまな技法を使い、自分の手でかたちをつくり、整えます。いろいろな種類の土にふれ、異なる個性と扱い方を知ることも大切。色や風合いを決める釉薬は無限に種類があるし、窯にもガス窯、電気窯、登り窯とあって、焼成方法や温度によって仕上がりは違ってくるのです。それらを一つひとつ経験して覚え込んでいきます。でも、そうやって技術と知識を自分のものにしても、なお思いどおりの結果を手に入れることは難しい。土は呼吸し、火は生きています。陶芸のほんとうのおもしろさはそこにあるのです。
泥と汗にまみれ、自分の手だけを使って、土や火と格闘する。そして、窯から取り出したとき、自分が思い描いたものよりも、はるかに美しいかたちができていたら。想像を超えたみたこともない色や文様が現れていたら──。それは、器であれ、オブジェであれ、あなたにとって世界一美しい作品になることでしょう。泥のなかから世界でいちばん美しいかたちを取り出す。その喜びを味わってください。

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