研究プロジェクト Research Project

近代教育の場におけるイスラーム社会運動とICT : アジア・アフリカ事例比較

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研究活動スタート支援
研究期間:2020−2022年度

人文学部 阿毛 香絵

研究の目的

近年、西アフリカやアジアの社会において、イスラーム教育を受けた若い知識人や学生達が宗教的な価値に根ざした社会運動・政治運動や、教育の場を立ち上げており、メディアやウェブサイト、携帯アプリケーションなどのICT (情報通信技術)を活用し、様々な運動を展開している。本研究はアジア・アフリカの現代社会と近代教育の場におけるイスラームの役割、特に新たなメディアやテクノロジーを利用した若い世代の活動について、ポピュラーカルチャー、表象文化との関わりも明らかにしながら検証する。

研究の方法

本研究は以下の三点を明らかにすることを目的としている。

1・イスラーム運動やイスラーム教育機関、宗教リーダーなどのICT利用や情報発信
2・ イスラームメディアやウェブサイト、ソーシャルメディアなどを通して伝えられる内容(表象・メッセージ・情報・宗教的、社会的規範)
3・ 利用者である信者たちや、その他の市民たちによるイスラーム系のメディアやICTを利用した情報、教育、アプリケーションなどの利用

上記について調査するため、インターネット上の現象に関する質的調査(ネットロジー・ネットグラフィ)、ウェブコンテンツや表現手法、伝達手法、生成される人間関係や社会性などの分析に加え、方法論の開拓のためにオンラインインタビューやウェブ上での調査を実施する。現地でのフィールド調査やインタビュー調査も計画しているが、新型コロナウイルス感染の現状を踏まえ、文献調査およびオンラインを中心とした調査を重視すると同時に、日本国内の事例に焦点を絞ったフィールド調査を行うなど、調査方法について随時検討しつつ研究を進める。

研究の展望

専門領域である西アフリカを主な研究対象としつつ、日本やインドネシアを含むアジアの事例も比較対象として検証することで、それぞれの社会の教育におけるイスラームの影響や宗教団体によるインターネット、メディアの利用の現状を広く把握する。また、宗教に根差した教育・メディアの分野における国際的な繋がりや広がりについて分析を行う。特にイスラームメディアや運動を行っている主体者の間に共有されたボキャブラリーや意味空間を重視し、彼らとのコラボレーションを通してより実態に近い「内面からの」言説分析、ネットグラフィを構築することを目指す。