研究プロジェクト Research Project

平安時代中期の陣定成立過程の研究

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若手研究 日本史関連
研究期間:2021−2024度

国際文化学部 堀井 佳代子

研究の目的

9世紀末から10世紀は、律令制から摂関期の国制の移行期という政治体制の変革期に当たります。この時期の変化の様相を捉えるために、この間に定着する公卿会議「陣定」について網羅的な検討を行います。律令制とは異なる摂関期の国制それ自体は、これまでの研究でかなりの程度明らかになっています。しかし、そこに到る過程の解明は必ずしも十分とは言えません。この研究では「陣定」の成立から定着の期間の様相を捉えることで、国制の変質過程の一端を明らかにすることを目的とします。

研究の方法

「陣定」についての研究は成立期と中世への移行期に議論が集中しています。その定着期と目される10世紀の様相を明らかにするために、①これまで十分に活用されてこなかった、『醍醐天皇御記』をはじめとする諸書に引用された逸文史料・実用書に引用された史料などを活用する、②古文書学的手法を導入して、日記類の中に引用された文書を様式論・機能論的な視点で検討する、という手法を用います。

研究の展望

9世紀末から10世紀の陣定の状況を摂関期の実態と付き合わせることで、律令制とは異なる摂関期の国制に移行する政治構造の変化の一端を捉えることを目指します。これは古代を貫く形で国制における「会議」の変遷を追うことを可能にする基礎作業の意味も持ちます。また日記史料に引用された文書を古文書学的に分析する手法は確立されておらず、この点についてのひとつのモデルを提示することにもなるでしょう。