「博士研究の手始め」京都精華大学大学院マンガ研究科博士後期課程1年報告会

日程
2015年2月18日(水)
時間
13:30 ~ 16:00
     ※予定
会場
京都国際マンガミュージアム 3階 研究室1

詳細

プログラム

1.
サラ・オージョ「コミック・ジャーナリズムと芸術:サッコとブリューゲル ―ジョー・サッコの世界をめぐって―」
2.
イ・シンヨン「80年代の純情漫画のグループ「ナイン」:その同人誌『九番目の神話』を中心に」
3.
森下豊美「商業と芸術の間のアニメーションの場の探求:久里洋二を中心に」

司会:ジャクリーヌ・ベルント(大学院 マンガ研究科 教員)、津堅信之(大学院 マンガ研究科 教員)
コメンテーター:中垣恒太郎(大東文化大学経済学部准教授)、津堅信之(大学院 マンガ研究科 教員)

主催:京都精華大学大学院マンガ研究科
共催:日本マンガ学会海外マンガ交流部会

参加申込不要
入場無料

発表者紹介

1.
サラ・オージョ(Sara Owj)

<報告要旨>

「コミック・ジャーナリズムと芸術:サッコとブリューゲル ―ジョー・サッコの世界をめぐって―」

ジョー・サッコはコミック・ジャーナリズムの先駆者として評価されている。サッコはボスニアやパレスチナ・イスラエルを広く旅し、乱離された生存者とともに生活をした。その経験をコミックにして発表し、世界中で知られるようになった。サッコの作品は、虐殺の視点から、カートゥーンの視点から、また日本の劇画作家、水木しげるとの比較や作品における写真の役割など、さまざまなテーマからの分析が可能である。この発表では、サッコが触発されたという16世紀のフランドルの画家、ピーテル・ブリューゲルとの関係を考察してみたい。そして彼らの作品を視覚的な側面、また農民の生活、キャラクターの独自性、風刺的な視点を分析し、3年間の研究の最初の段階として、芸術世界のブリューゲルとコミック世界のサッコの関係を探究してみたい。

2.
イ・シンヨン(李 信暎)

<報告要旨>

「80年代の純情漫画のグループ「ナイン」:その同人誌『九番目の神話』を中心に」

日本の少女漫画に相当する韓国の純情漫画は現在アジアでも注目されるほどの競争力を持つようになった。日本の少女漫画研究において「花の24年組」が重要視されていると同様に、純情漫画の成長にも「花の24年組」のような存在があった。それは80年代に活躍した「ナイン」というプロの純情漫画作家のグループであった。当時すでに人気作家だったファン・ミナが中心となりキム・ヘリン、ソ・ジョンヒ、ファン・ソンナ、イ・ジョンエ、ユ・スンヒ、イ・ミョンシン、ゴ・サンハン、キム・ミサンも参加したこの「ナイン」は、韓国初の漫画雑誌『ルネサンス』の起源となる同人誌『九番目の神話』を出版していた。全3号しかなかった『九番目の神話』は純情漫画雑誌の可能性を開き、その掲載作品が韓国的な少女漫画の基礎を構築したと考えられる。本報告では、雑誌の役割を中心に、「ナイン」を純情漫画の先駆者として紹介する。

3.
森下豊美(Toyomi Morishita)

<報告要旨>

「商業と芸術の間のアニメーションの場の探求:久里洋二を中心に」

「アニメ」が日本を代表する文化として世界的にも認識されている中、美術系大学を中心にアニメーションを専門的に学ぶコースも増加し、その個人制作作品は国内外の国際映像祭で高い評価を得ている。文化庁主催の文化庁メディア芸術祭においても「アニメーション部門」が設置され、商業作品と同等に個人制作作品も現代の視覚芸術メディアとして扱われているが、TVシリーズを中心とした商業作品以外の、個人によるアニメーションが国内においてどの様に発展し発表されて来たのか歴史的検証も研究も充分なされていない。
本発表は、国内の個人制作アニメーションの源流を1960年草月アートセンターで発足した漫画家の久里洋二、画家の真鍋博、デザイナーの柳原良平による「アニメーション3人の会」と定め、「アニメーション3人の会」の中心的人物であった久里洋二に焦点をあてながら、日本のアニメーション文化の重層性と商業から芸術へ移行したアニメーションの場の変遷を検証する。

問い合わせ先

京都精華大学 教務課(マンガ研究科)
Tel:075-702-5262



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