表現の領域を自ら拡張するイノベーターになる

イメージ表現専攻では、メディアテクノロジーを使用した視覚表現を中心に、身体全体に訴えかける表現について学び、「体験そのもの」をつくるための幅広い知識と技術を身につけます。たとえば映像「だけ」をつくるのではなく、それを発表する場を同時につくったり、映像を使って空間を演出したりする方法なども学ぶことができます。またコンテンツ制作に必要な企画力や構成力を培うための技法も、授業を通して自分のものとすることができます。日々進化し続ける表現の領域を、自ら拡張していける力を育てます。

科目PICKUP

映像理論
映像という言葉の意味するものを、時間軸、空間軸ともに広い範囲で捉え、その芯にあるものをあぶり出していきます。京都の伝統行事から、あるいは最新のゲームなど読み解くことから抽出された理論を学びます。
映像分析
映像を含むメディア表現全域を、それ単体ではなく社会との関わりの中で分析します。メディア技術の変遷とメディア環境の変化、それに伴って現れた表現をよく観察し、批評的態度で分析する手法を学びます。

4年間で身につく能力

  • コンテンツとメディアを同時に企画立案できる力
  • 新しい体験を開拓できる力
  • コンテンツ制作ツールを自在に活用する力

卒業研究のテーマ例

● 文化遺産のVRインスタレーション
● 理想のバーチャルペットを自作できるツール開発
● 絶滅危惧種を知り、守るためのVRゲーム開発
● 自宅でアイドルと踊り、運動不足を解消するARゲーム開発
● 日光量で変化する鉄道駅のプロジェクションマッピング

卒業後の進路

めざせる職業
メディアアーティスト / 映像ディレクター / イベント・プロデューサー / 編集者 / ゲームデザイナー / 起業家 / 研究者 など 

主な就職先
映像制作会社 / メディア系企業 / 広告会社 / ゲーム制作会社 / キャラクターデザイン会社 / デザイン事務所 など

取得できる資格

高等学校教諭一種免許状(情報) / 図書館司書 / 博物館学芸員

VOICE

  • キム ミナさん在学生

    自分だけの世界観を映像で表現し、新たな世界へつなぐ

     以前から映画が好きで、その世界観を分析しながら絵を描いたり作品を創ったりしていました。そのうち、映像で自分の世界観を表現したいと思うように。視覚的な表現に対して広く深く学べそうな点に魅力を感じてメディア表現学部に入学しました。
     イメージ表現専攻では、映像撮影や編集だけでなく、プログラミングやグラフィックデザインなどを学び、視覚的な表現の幅を広げていきます。「メディア考古学」という授業では、「視覚装置の再構成」をテーマに、今は使わなくなった視覚メディアの本質的な構造を学び、プログラミングや3Dプリントなどの現代技術を組み合わせて作品をつくりました。その制作は、過去と現代をつなぐ視覚メディアの足跡を振り返る時間となり、とても刺激的でした。
     最近は視覚的な楽しさとカタルシスを感じさせるモーショングラフィックを学んでいます。この授業を通じて、短い映像でストーリーを効果的に表現する感覚を身に付けたいです。そして自分の世界観と映像美学をつなげた作品をつくり、その作品が誰かのつくる世界につながっていけばと思っています。
  • 伊藤 ガビン教員

    作りたいものの技術と発想方法を学び「その次」を作り出す

    新しい技術を使って画期的な視覚表現をする! メディア表現学部のイメージ表現専攻と聞けば、そんなことを学べると想像する人がいるかもしれません。その想像は、ほぼ正しいのですが、想像の内容によっては不正解かもしれません。例えば最近流行りの「プロジェクションマッピング」を見て「アレがやりたい」と思っても、それそのものの作り方を教えるわけではありません。そこに至る技術とその獲得方法を学んで、自分が素晴らしいと思う表現の「その次」を作るために学ぶのがこの専攻の特徴です。
    ですから制作スキルよりも、学習のためのスキル、発想法を手に入れることができます。まだ誰も味わったことのない体験を作り出すための力を蓄えましょう。
    イメージ表現専攻では「ひとつのコンテンツを作るのではなく、ジャンルを作る」ことを標榜しています。ゲームで言えばRPGの新作を作るのではなく、RPGというジャンルを作りましょうと言っています。開拓者精神あふれる人がこの専攻には向いています。将来はデザイナー、アーティスト、映像作家などになることが可能だと思いますが、新しい職業を作り出す気概で来てもらいたいと思っています。
  • ucnv教員

    コンピュータで 予想外のものを 発見していこう

    このゼミでは、コンピュータを用いた芸術について考えます。イメージ表現を専攻するみなさんには、すでにやりたいことがあるかもしれません。ですが、まずはコンピュータによる芸術の歴史を学び、自分の興味がどの系譜に属すのかを知ってほしい。学ぶことで興味が変わってしまうかもしれませんが、このゼミでは、そんな価値観の転倒を大いに肯定します。予想外の発見は、それ自体が芸術的だからです。コンピュータを使えば、それを加速することもできますよ。