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コラム 第6回

マリ音楽

cl_6.jpg マリ人に限らず、アフリカ人は踊りが大好きで、お祭りやお祝い事の時はもちろん、人々が集まって楽しい気分になると、すぐに踊り出します。踊りに欠かせないのが歌や楽器ですが、実はこれは誰にでも出来るものではなく、グリオと呼ばれる世襲制の音楽家達によって演奏されるのです。グリオでない人が歌うことは恥ずかしい事とされ、学校の科目にも音楽の授業はありません。

 文字のなかった時代、グリオは音楽で歴史を語る語り部でした。主人である一族の歴史を世襲制で代々語り継いできたのです。主人の家の祭り事には必ず呼ばれ、一族の祖先や主人を称える歌を歌い、その歌で主人をすっかりいい気分にさせて、お金、家、車など莫大な報酬をもらいます。ジャバテ、クヤテなど、マリ人なら名字を聞いただけで、グリオの家だとわかります。

 1960年にフランスから独立した後、植民地時代には否定されていた伝統音楽が現代的な楽器によって演奏されポピュラー音楽となり、サリフ・ケイタやモリ・カンテなど、ヨーロッパで大ヒットを飛ばす音楽家も現れました(サリフ・ケイタはグリオ出身ではない、珍しい音楽家ですが)。伝統音楽をアレンジした彼等の音楽は、のびやかな声でゆったりと歌う曲あり、軽快なリズムで踊り出したくなるような曲ありと、外国人の耳にもなんとも魅力的ですが、その歌詞は、古代王国の王を称えたものや、「目上の者は敬わなくてはならない」とか「強欲ではいかん」とか、はなはだ“説教臭い”ものです。それでも老若男女を問わず、マリ人は皆、グリオの音楽が大好きで、マリ人の生活には欠かせないのです。

 最近では日本のレンタルショップでもマリ音楽のCDを見かけるようになりました。サリフ・ケイタは何度か来日してコンサートを開いています。マリ人でも道徳教育的な歌詞を聞くためではなく、音楽として楽しんでいますが、日本人ならなおさら、気楽に楽しめる音楽だと思います。マリ音楽を部屋に満たしてゆったり過してみませんか?

<ウスビ・サコ>

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