日本の大衆文化を知る
学生時代から経済や経営に興味を持ち、現在は中小企業の支援策について考えているのですが、7~8年前から、特に「CSR」に注目しています。
CSRは「Corporate Social Responsibility」の略で、日本語にすると「企業の社会的責任」です。今に始まった考え方ではないのですが、企業の不祥事が相次ぐ中、あらためて、企業は利益追求だけでなく、利害関係者の期待や要望に応えるかたちで、環境や社会の様々な問題にバランスよく対応していくことが求められています。
私はこのCSRを中小企業に普及させていくための取り組みを推進しています。
CSRの具体例としては、安全で安心できる商品・サービスの提供、就業機会の継続、ワークライフバランス(仕事と私的生活の調和)への取り組み、環境保全活動などがあげられます。大企業では、すでにCSRを戦略の1つとして位置づけ、先進的な取り組みを行っている組織が多いのですが、中小企業ではまだまだCSRが意識されていません。CSRという言葉に対する認知度は低くとも、特に関西の老舗企業では、近江商人の「三方良し」の考え方や石田梅岩が説いた石門心学の影響を受け、昔からCSR的精神が根付いているのですが、それがCSRであることを意識されていない、可視化(見える化)できていないようです。
CSRは、「余裕があればやる」という社会貢献活動ではありません。継続して社会的責任を全うしていかなければならないことですから、企業の本来業務に直結した取り組みを中心に推進することが重要です。継続性という点から言えば、システム化を図ることが不可欠だと考えています。
「学内企業セミナー」に卒業生が来てくれました。
私は、学生が環境マネジメントシステムに関する国際規格「ISO14001」の知識を身につけ、システム化の意義を理解した上で、環境監査の技法を習得してもらうことを目的とした授業を行っています。また、これまでは、学生たちを企業や自治体などの組織に派遣し、環境マネジメントシステムの構築を半年間かけて支援するという授業も行っていました。授業で学んだ環境マネジメントシステムの知識をもとに、卒論でCSRマネジメントシステムの構築を行う学生もいます。
学生が(2人1組で)コンサルタントとして組織に出向き、ISO14001に準拠した環境マネジメントシステムを構築・運用するための支援を行います。具体的には、環境課題の抽出、環境関連法規制の調査・特定、環境方針の制定、環境目的及び目標・実施計画の設定、目標を達成できるようにするための手順の作成などです。まだ社会に出たことのない学生が、組織の方々とやりとりしながら一緒に作業を進めていくのですから、学生にとっては大変なプレッシャーだろうと思います。しかし、試行錯誤しながら取り組んでいく中で、学生たちは成長してくれました。
学生が、企業と一緒に作ってきたマネジメントシステムについての公開報告会の様子。
この授業を通して多くの学生が得たものは、単にISO14001の知識やコンサルティング技法だけではありません。コミュニケーション能力、問題解決力、そして何より、これらを成し遂げたという「自信」です。
あっちを立てればこっちが立たず・・・ これを「やりくり」することがマネジメントです。その意味で、構築支援を行っていく「試行錯誤のプロセス」を通じて、学生たちは僅かながらもマネジメント力を習得してくれたのではないかと思っています。
ひとつは、受け身の姿勢では何も得られないということ。自分から探し求め、働きかけ、つかみ取っていく姿勢を忘れないでほしいですね。
そして、もう一つはタイミングを逃さないでほしいということです。例えば、就職活動中のゼミ生に「○○企業が新卒を募集していて、面談を希望する学生がいないかどうかという連絡があったよ」と紹介しても、反応が遅く、1ヶ月くらい経ってから「面接したい」と申し出てくることもありました。これでは、企業側に「熱意がない」と思われても仕方ないですよね。物事は優先順位をつけて、「今、何をすべきか」をしっかり考え、「今」というタイミングを逃さないようにしてほしいです。
山口 康介KOSUKE YAMAGUCHI
人文学部 4回生
服部さんはとても凛とした雰囲気を持っていて、これぞカッコいい大人の女性!という印象。何事につけてドン臭く、服装もだらしない私にとっては遠い憧れです・・・。環境経営に関しての講義やゼミを受講する学生たちにとって、現場を知っている服部さんの体験談を実際に聞くことができるのは、とても羨ましいことだなぁ、とちょっとだけ嫉妬してしまいました。
環境・組織運営、という二つの言葉を聞くと何だか難しいというイメージを持つかもしれませんが、おそらく全ての人の人間関係や暮らしと身近に関わっていること。せっかくなので、じっくりとその二つのことについて考えてみても損はないですよね。
服部 静枝
准教授企業のルール作りを学生がサポート
山口 康介
人文学部 4回生