先生にインタビューで聞く人文学部の学び
ウスビ・サコ  インタビューテーマ 空間とわたしとの関係 准教授/マリ出身。空間デザインの本質を探るために様々なところに出かけ、そして様々な「文化」と出会う授業を心がけている。

先生の研究テーマは何ですか?

空間や住宅、まちづくりというテーマ。
そのなかでも、とくに「人と空間の関係」に興味をもっています。たとえば「住まい」で考えると、人がその家にどんな住み方をして、部屋がどんなふうに作られ、成り立っているのか。また、ある空間のなかで人がどのように自分の文化を表現できるのか、というようなことを研究しています。
「空間」というのは、単なる箱ものではありません。空間に人が関わることによって、ひとつの文化性を持ち、空間そのものに意味がでてくるんです。京都の町家の暮らしを見てみても、そこに文化的な表現がなされていることがわかります。そういう空間を実際に見て、そこに住んでいる人と空間との関係を調査しています。

Oussouby_01 最近研究しているのは、コミュニティ。
町内会とか、組という共同体を調べています。最近の京都では、町内会でも"地蔵盆"がない地区が年々増えてきています。つながりが徐々になくなってきているんです。人が集まって住むとき、どういう共同のルールやおもしろさ、楽しさ、すごし方があるのか。そんなことを少し調べていて、どうやったら活気のあるコミュニティ生活ができるかを、考えたりしています。たとえば京都国際マンガミュージアムは、廃校になった小学校に別の機能が入ったことによって、まちの活性化につながるかもしれない一例ですね。

空間はどこでも研究対象になるんですか?

コミュニティ、建築、都市、まち、すべての空間が研究対象ですが、どちらかとい

うとその空間と人との関わりが研究の中心。私たちがまちに、まちが私たちに与える影響はなにか、相互関係を調べながら、人が空間とともにつくってきた文化を調べている、といった感じですね。

なるほど。では、どんな授業をされているんですか?

主に2つあって、1つは「建築文化論」という講義形式の授業。建築というのは、もともと建築家が作り、住む人や使う人が建物に合わせていく、と思っている人は少なくありません。でも私は必ずそこに何らかの文化的事象があると思っています。それを学生に理解させるために、いろんな地域の建築物とその地域の文化をこの講義形式の授業で紹介しています。もうひとつは、演習形式で実践的な授業。実際に建築物などいろんな空間を見に行きます。そこから感じられるものを話し合い、自分自身の理想な空間を描く授業をしていますね。

Oussouby_02サコさんは京都在住歴が長いので、話していると関西弁が出ます。

では最後に、先生が今一番興味のある空間はどこですか?

カフェ空間ですね。カフェというのは、単に飲食だけの機能を持っている空間ではなくて、それ以上の機能も持っている。たとえばそこにいて癒しを感じるとか、安らぎを感じるとか。私自身もカフェに行くのが好きで、それもあって調べたくなったんです。いまはカフェを作る側も、お客さんが癒しを感じられるように空間を考えたりしています。逆に自分の趣味の世界を徹底的に表現したカフェを作ったりしている人もいますね。いろんなタイプのカフェがあるので、さまざまな切り口で研究ができそうだと思います。

EDITOR

井久保 捺那

井久保 捺那NANA IKUBO

人文学部 1回生

私は建築文化論をききにいったのですが、それ以降、町中でビルを見るのでもどういう意図があってそのように作られたのかつい考えてしまいます。
建築に対しての見方が深まり、とてもおもしろかったです。ぜひ来年受講したいと思いました。

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