先生にインタビューで聞く人文学部の学び
楠瀬 佳子 インタビューテーマ 文学は社会を写す鏡 教授/学生時代にケネディ大統領暗殺のニュースに衝撃を受け、アフリカ系アメリカ人の文学や歴史に関心を持つようになる。「山と山は出会わないが、人と人は出会う」というアフリカのことわざは、好きな言葉のひとつ。

先生の研究分野を教えてください。

私はアフリカのことを研究しています。主に文学と地域研究ですね。
授業は、アフリカ文学を中心に「女性文学論」と「世界文学」、そして歴史や文化、政治などあらゆる面からアフリカについて知る「地域研究」を担当しています。自分が生きているローカルな位置から、アフリカなどを含めた世界をグローバルな視点で読み解くことがねらいです。そのため、文学の授業ではアフリカ文学に限らず、アメリカやイギリス、日本文学など幅広く扱っています。

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その中でも先生が興味があることってなんですか?

ずっと興味があるのは"女性文学"ですね。
興味を持ったきっかけは、ベッシー・ヘッドという南アフリカ出身の女性作家の本に出会ったこと。亡命生活を送っていた彼女の壮絶な半生。ベッシーは、異常な社会で尋常な精神を保つことがいかに大変かを経験しましたが、それでも人は生きていくんだというたくましさを語っています。そんな彼女の人生を知ることが、他ならぬ自分自身を発見する旅へと繋がったんです。多くの本を読む中で、女性文学には共感したり新しい発見があったりと楽しいことの連続。自分が楽しみながらやっているからいいんだと思います(笑)。
文学って、いろんなものを表しているんですよ。社会を写す鏡なんです。
文学を読むと、著者が住む国の社会的な背景が見えてくる。日本ではありえないようなことも外国の本には書かれています。そして社会が見えてくると、新たな視点から自分の立ち位置を見直すきっかけになる。逆に、自分の立ち位置から社会を見ると、自分からの視点で社会に疑問を持つことができる。その疑問は、文学に触れて解決できる。「文学・社会・自分」、この3つは繋がっていて、サイクルになっているんです。これは文学に触れることで、みなさんが1番実感できることだと思います。

先生はアフリカの作家から文学の世界に入り、広い世界に目を向けたいと考えているんですね。では学生でも感じることのできる文学の授業のおもしろさってなんですか?

授業では多くの女性作家の作品を扱います。学生たちは作品の世界を通して、生き方を考えてくれるんです。自分と重ねて読むんですよね。私が思うのは、人間ってシンプルで根本的な部分は同じだってこと。嬉しい・悲しいといった感情は人間なら誰しも同じ。だからもし自叙伝を読み共感できなかったとしても、なぜ共感できないか考え、相手を見ようとすることで自分と向き合うきっかけをもらえるんです。それに、同じ作品でも、読み手の育ち方・育った社会的背景などで受け取り方が違いますよね。答えが違うのは大いにいいこと。でも、学生たちは「どうして自分はそう考えたのか」を説明するのが苦手ですね。そのプロセスがわかって自分なりの答えを持つと、新しい自分に出会えるんじゃないのかなあ。それが文学の授業のおもしろいところだと、私は思いますよ。

kusunose_02.jpg先生の研究室にあった、カメコレクション。

文学もそういう見方をしたらすごく興味が湧きますよね!そのように人間をいろんな面から見ている先生ですが、先生にとって精華の学生ってどんなふうに見えますか?

私自身、自分が何をしたいのかと悩んでいる学生を見るのがすごく好きです(笑)。だって、そういう学生って自分の興味のあることを見つけてからすごく強くなりますから。過去には、私のゼミでティッシュ配りの「ティッシュ」に興味を持った学生がいました。すごくおもしろかったなあ。その人は、街頭で配られるティッシュの出所を調べたいと言って、そのティッシュの材料がどこからくるのか、どんな会社が広告を出しているのかを調べ、そこから自分なりに社会を読み解きました。誰も考えない発想をして、それを解く力があるんです。それが精華の元気さですね。

EDITOR

山﨑 まどか

山﨑 まどかMADOKA YAMASAKI

人文学部 2回生

楠瀬さんはとても元気な先生です。インタビューをすごく楽しんでくれたように感じました。
とてもわかりやすい話で、先生は本当に文学の授業で多くの人の変化を見るのが好きで仕方がないのだと伝わってきました。
また、先生は精華屈指のカメコレクター。カメのことを聞いてみたら、あれもこれも…と奥からどんどんカメが出てくる出てくる!家には更にカメの置物があるそうです!
ほとんど友人や知人からのお土産だとおっしゃっていました。とてもフレンドリーな先生。ぜひ、カメのグッズを持って研究室へ(笑)。

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