「正しい答えはない
 ということを
 学べたように
 思います。」

Yi Chin Wang | Taiwan
Designer & Model
SCHEMA, INC. & BARK IN STYLE., LTD.
Illustration Course
2007 Graduate

1. 京都精華大学入学を選んだ理由は?

私が通っていた泰北高校は京都精華大学の姉妹校だったので、京都精華大学に推薦で入学することができました。初めて見学ツアーで日本を訪れて、大学の環境や設備にすごく魅力を感じました。日本はもっと堅苦しい国だと思っていたんですが、実際の大学の雰囲気や先生の教え方はとても自由。日本の都である京都にあって、山や木、川など自然が溢れ、学校内に鹿や鶴、クジャクなど動物がいっぱいいて、京都精華大学は学生にとってとても恵まれた環境だと思いました。もともと海外行くことを考えたことはなく、日本語も全然できませんでしたが、生活面や手続きなど、大学が細かく対応してくれたので、悩むことはありませんでしたね。

2. 京都精華大学で学んだこと。

一番記憶に残っているのは一番最初に受けたデッサンの授業です。鏡を見ずに自分の耳を触りながら描く。どうやって描くのかとても悩んでいましたが、終わってから他の学生の作品を見ると、同じ耳なのに形や描き方がいっぱいあって、すごい発想力だと思いました。台湾ではみんな先生の言った通りにしかやりません。しかし、精華で授業を受けてから、方法は一つじゃないんだと考えるようになり、可能性を探るようになりました。正しい答えはないということを学べたように思います。
台湾にいた頃、日本の絵本や作品を見ていて、色の使い方がとても素敵だと感じていました。日本人にとって当たり前の中間色は、夏と冬しかない台湾にはありません。冬になっても木の色は緑のまま。よく作品を発表する時に、原色しかないと驚かれたことがあります。日本と台湾、お互いの文化や習慣の違いを知ることができたことで、他の人の2倍学ぶことができましたと思います。

3. 精華の魅力ってなんですか?

環境も人も素敵でした。留学生も多く、授業が終わったらよく国際交流課に行って一緒に課題をしたり、いろんな話をしました。当時は、台湾・中国・韓国・ベトナム・インドネシアなど、たくさんの国からの留学生がいましたが、気付けば先生も含めてみんな家族みたいになっていましたね。卒業後、国に帰った人も多いですが、今でもみんな繋がっていて、日本に出張で来た時に会ったりしています。
ほかの学部の教室にもよく遊びに行ったりしていました。陶芸の友達が陶器を作って釜で焼くのを見たり、建築学科の模型作り、版画の紙漉き体験、日本画や洋画教室の空間も素敵でした。

4. 日本での生活はどうですか?

賑やかな台湾に比べると、日本の方が気楽です。どこでもトイレは綺麗だし、サービスもすごくいい。台湾のコンビニで肉まんが欲しいと店員さんに尋ねると、指で場所をさすだけ。日本に慣れてしまってから台湾に帰ると、その違いに驚きます。今住んでいる大阪より、大学のある岩倉のほうが好きです。また、人間性でいうと台湾人ははっきり物事を言います。まずいはまずい、嫌いは嫌い。しかし、日本人は周りの状況を察して答える習慣があります。初めは少し戸惑いましたが、クラスにいた北海道出身の友達が楽観的な性格なのを知り、日本にも色々な人がいるんだと分かりました。

5. 日本で働いてみた印象は?

プロセスの記録や、コンピューターでの管理、整頓整理はとても勉強になりましたね。台湾では早くデザインを完成させることが優先されるので、プロセスを気にしません。今の事務所では、アイディアを考える時、データ作る時、日にちで記録して管理していきます。打ち合わせをする時に、前の試作がほしいと思ったら、すぐに出すことができます。実は20年前の作品までしっかり管理していて、誰かが急に来れなくなっても、仕事をつなげていけるようにしています。仕事をする中で、日本の精神、強さがよくわかりました。

6. これからやりたいこと。

人の心に残っていくデザインをしていきたいと考えています。2009年に、上海万博の大阪パビリオンのシンボルマークデザインで最優賞に選ばれました。先進性を表現するために、大阪の「大」の文字をまっすぐ進む船の背後にできた波をイメージして形にしました。また2013年、あべのハルカス近鉄本店のオープンにあわせて包装紙やショッピングバッグのリニューアルデザインを担当しました。 近鉄百貨店の“K”を起点とした一筆書きで、お客様と近鉄百貨店の「気持ちのつながり」を表現 。これは1995年以来、18年ぶりの一新でした。 これからもこういった意味がある仕事をしていきたいですね。また、日本で経験してきたこと、学んだことを伝えることで、アジア交流の架け橋となって多くの人の視野を広げていきたい思っています。

7. これから受験する留学生に一言メッセージ。

今でも精華にいてよかったと思いますね。いればいるほど岩倉という自然があふれる場所と京都精華大学が好きになります。実際に訪れて、その環境の良さを体で感じてほしいです。大学で学ぶことで就職をすることができ、スキルも磨くことができて、人生のステップアップができます。学校で知り合った友達や先生からは、今でも応援が続いていて本当に家族のような感じです。みんなも京都精華大学の家族に入ってほしい、自分の可能性がもっと広がると思うから。