京都精華大学は、1968年にリベラルな政治学者であった初代学長岡本清一を中心にまったく新しい大学の創造をめざすべく誕生しました。岡本清一は、学長就任の条件として、「教育の基本方針に関する覚書」を提示。この覚書には、京都精華大学の建学の理念とも言える「人間尊重」「自由自治」がうたわれています。「人間尊重」「自由自治」を基盤とし、新しい人類史の展開に対して責任を負い、世界に尽力する人材の育成を使命としてきた京都精華大学では、学生、教員、職員がすべて人格的に平等であり、全員が大学の創造に参加しています。

理念・沿革

京都精華大学は、1968年に英語英文科、美術科の2学科をもつ短期大学として開学。1979年に美術学部を有する4年制の大学となってからは、1989年に人文学部の開設、2006年にデザイン学部、マンガ学部の開設、2013年にポピュラーカルチャー学部を開設するなど、学問の領域をつねに広げてきました。

教育の基本方針に関する覚書

  • 1. 京都精華短期大学は、人間を尊重し、人間を大切にすることを、その教育の基本理念とする。この理念は日本国憲法および教育基本法を貫き、世界人権宣言の背骨をなすものである。

    2. 京都精華短期大学は特定の宗教による教育を行わない。しかし諸宗教の求めてきた真理と、人間に対する誠実と愛の精神は、これを尊重する。

    3. 学生に対しては、師を敬うことが教えられる。師を敬うことなくして、人格的感化と学問的指導を受けることはできないからである。そして敬師の教育を通じて、父母と隣人とに対する敬愛の心を養う。

    4. 教員の学生に対する愛情責任は、親の子に対するそれが無限であるように、無限でなければならない。職員もまた教員に準じて教室外教育の一斑の責任を負う。

    5. 学内における学生の自由と自治は尊重され、その精神の涵養がはかられる。従って学生は、学内の秩序と環境の整頓に対して責任を負わなければならない。

    6. 礼と言葉の紊れが、新しい時代にむかって正され、品位のない態度と言葉とは、学園から除かなければならない。

    7. かくしてわが京都精華短期大学における教育の一切は、新しい人類史の展開に対して責任を負い、日本と世界に尽くそうとする人間の形成にささげられる。

教育理念

岡本の建学理念は、その時々を担う人々によって新しい理解が加えられ、時には議論の対象となってきました。 2003年春、建学理念の継承と再生を図るため、京都精華大学はあらためてその使命と基本理念を明らかにしました。

京都精華大学の使命

  • 1. 京都精華大学は、人間を尊重し人間を大切にすることを教育の基本とし、学問・芸術によって、人類社会に尽くそうとする自立した人間の形成を目的とする。

    2. 京都精華大学は、社会に責任を負う自立した人間の形成という目的のために、恒に現実の社会的視点を維持し、広く社会に貢献する活動を行う。

    3. 京都精華大学は、教員、職員、学生によって一個の有機的社会を構成し、この大学社会における人間的な交流を基礎にして教育を行う。

京都精華大学の基本理念

  • 1. 京都精華大学は、広く国内外に開かれた教育を行う。人間が国家、宗教、民族の対立を乗り越えて共に生きるためには、その価値観の違いを超えて人間的な信頼関係を創出しなければならず、国家、宗教、民族を超えた人間的な交流の体験が必須である。

    2. その教育において、特定の宗教・思想による教化を行わない。しかし、歴史を通じて人類が求めてきた普遍的な価値と、人間に対する誠実と愛の精神は、これを尊重する。

    3. その教育は、共生を目指し、なお自立する人間の形成を目的とするために、現実の人間の問題を扱う学問・芸術の探求に基づき行わなければならず、その知的資源の創造的な編成と運用は、広く国内外に貢献することを目指さなければならない。

    4. そのように現実社会に対する建設的批判と貢献を目指す、京都精華大学の教育と研究の活動は、また恒に現実と対峙し社会的視点を維持する大学の経営によって保障されねばならない。

    5. 京都精華大学は、教員、職員、学生に開かれた大学社会を組織し、この社会を人格的平等主義に基づき運営する。各構成員が自覚的に選択した価値観は、対等にこれを尊重し、特定の価値観の絶対化は、人間の自由を抑圧し個人の自立を妨げるものとして、これを拒否する。

    6. この大学社会は、構成員の自己啓発と相互の建設的批判によって日々刷新され、新たな教育と研究の土壌を形成する。品位のない態度と言葉は、この大学社会から除かれなければならない。構成員間の身分差別は、本学の理念とは無縁である。

    7. すべての構成員は、この大学社会の規範に従うことが求められるとともに、新しい大学の創造に参加する権利を有する。

学長インタビュー

みなさんはじめまして。京都精華大学で学長をつとめるウスビ・サコです。本学は今から50年前に「人間尊重」「自由自治」を理念に掲げて開学。多様な価値観を認めあい、国や地域、人種、性別、信仰などの違いを超えて学びあう人々の場所としてはじまりました。西アフリカ出身の私が本学の教員となったのも、この理念に共感したからです。本学がめざすのは、自らの個性を活かし、まだここにないものを生み出し、社会とつながることができる人間を育てること。それにより、わたしたちが生きる世界をよりよく変えていくことです。いつの時代にも世界にはさまざまな問題があふれていますが、わたしには明るい未来がみえています。ここで獲得できる自由は、あなたが生きていくうえで大きな力となるもの。本学で、ほかの誰でもない、あなただけの個性に出会うことを楽しみにしています。

ダイバーシティ推進宣言 2018

 京都精華大学は、自由自治を建学理念に掲げ、世界人権宣言にもとづく人間尊重を教育の基本理念とする大学として、学生・教員・職員をはじめとする全構成員が、互いの差異を通じてともに成長してゆく組織を目指します。そのために、本学ではダイバーシティを「多様なバックグラウンドや属性を持つ人々が違いを受容し合い、対等に機会が開かれること」と定義し、これを推進します。

 年齢、人種、性別、身体的特徴、性表現など表面的に認識されやすいものから、国籍、宗教、家庭環境、出自、働き方、性自認、性的指向など表面からは認識されにくいものまで、私たちは1人1人異なる属性を複数持っているはずです。誰もが多様で差異がある、という考えに立ち、一部のバックグラウンドや属性を理由にした不自由、差別や排除がないキャンパス環境を、修学・教育・研究・就労の観点から活動方針に沿って着実に整えます。

 本学の考えるダイバーシティ推進とは、制度や仕組みの整備のみを指すのではありません。人間の多様さに触れる機会を学内の様々な場面で継続的に設けることで、共生の意識を醸成します。違いを理解しようとするプロセスで生まれる「価値観の変化」や「他者への想像力」こそが新しい発見や思考につながり、構成員全体の創造性を高めると考えるからです。変化し続け不安定さが増す今後の世界において、新しい価値をもたらすことができる大学であるために、ここにダイバーシティのさらなる推進を宣言します。

2018年4月 学長 ウスビ サコ

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