12月16日 入学前スクーリングレポート

2019 年 2 月 20 日

はじめに
~入学前スクーリングについて~

京都精華大学では大学での専門的な学びや社会で生きてゆく上で土台となる力「3つの基礎力」(教養力、表現力、協働力)の大切さに気づいてもらうために入学前教育を行なっています。
今年度2回目の入学前スクーリングでは、各教員の専門性を活かした模擬授業として、「コミュニケーションワークショップ」と「ことばのワークショップ」を行いました。

コミュニケーションワークショップ
~「きく」ってなんだろう~

今回のワークショップでは、日常に溢れる音、効果音や環境音などによる音響作品を「きく」ことを体験し、文字やビジュアルなど自分なりの表現で3つの課題に取り組んでもらいました。

【使用したもの】
①筆記用具 ②クロッキー帳(Discovery Diary)

【ワーク1】身の回りにある音に気づく
5分間、耳をすませて聞こえてくる「音」について、どんな音だったか、できるだけたくさんクロッキー帳に書き出します。例えば、鉛筆で紙に字を書く音、誰かのくしゃみ、ぱたぱたなどの擬音語も書き出してみましょう。
次に、書き出した音を・・・

A:自分が出した音
B:人間や何かの生物が出した音
C:人間や生物以外が出した音
D:自然や環境による音
E:わざとらしかった音

の5つに分類して、「自分」を中心としてどの辺りから聞こえたかが分かるように図にしました。
この2つのワークの結果を4人1組のグループで見せ合い、共有しました。普段とは違う意識をもつことで、自分だけにしか聞こえていなかった音やグループ全員が聞こえていた音など、身の回りに存在する様々な音に気づくことができたのではないでしょうか。

【ワーク2】声で表現してみる
複数の『音』のサンプルを聞いた後に、その音をできるだけ正確に「口真似」することを試みました。
猫の鳴き声や空き缶が転がる音など、様々な音を口で表現してみることで音の余韻をどう表すかなど、音を表現する難しさが感じられたのではないでしょうか。

【ワーク3】音のイメージを感じ取って表現してみる
音によって構成された『音響作品』を聴いて、そこから感じ取ったイメージについて、クロッキー帳に、テキストや絵などで自由に表現しました。出来上がったものをグループで見せ合い、話し合うことによって、同じ1つの音でも様々な受け取り方や感じ方があることを理解できたと思います。

この3つのワークショップを通じて、目には見えない「音」を表現する難しさを感じたのではないでしょうか。
目に見えるものや、見えないものを表現するためには、まずはじっくり「みる」そして「きく」ことが大切なのです。
毎日の生活の中でこれを習慣にすれば、表現の幅も広がります。
これからぜひ、身の回りのものごとをじっくりと観察してみてください。

ことばのワークショップ
~ことばで表現してみよう~

人はことばによって傷ついたり救われたりします。ことばは人と人とをつなぐ強い力を持ちます。京都精華大学に入学する皆さんにはそんなことばの力を身につけて欲しいと考えています。そこで今回は新聞の人生案内に寄せられた悩みに対しての回答を考えてもらいました。

【使用したもの】
①「人生案内」4つの新聞記事 ②筆記用具 ③原稿用紙
④クロッキー帳(Discovery Diary)

新聞の「人生案内」に寄せられた相談文を4つ用意しました。悩みを相談した人は10代から20代にかけての方々です。その文章を読んで、悩みを相談している人はどんな人か、相談者は回答者にどんなことを求めているかについて、どちらも箇条書きやイラストで書き出してみます。その際に悩みを相談している人の立場に立って回答を考えましょう。

次に書き出した文やイラストをグループ内で見せながら説明しあって、その中からグループで取り上げる相談文を1つ決めます。
決定した相談文についてグループで、相談者の求めていることは何か、相談者の立場に寄り添うためにどんな表現にするかを考えてみます。グループで話し合った内容に基づいて、まずは自分(個人)の回答を100字前後でクロッキー帳に書いてみましょう。

続いて、個々に100字で作成した回答をグループ内で出し合って相談しながら、400字の回答に仕上げました。個々の回答を単純につなげていくのではなく、出来るだけ1つの文章としてまとまるように原稿用紙へ書いてもらいました。
最後に、実際の新聞記事の回答を読んで、グループで適切な回答だと思うか、自分たちの回答と見比べてどう感じたかなどを話し合いました。

他人事(ひとごと)として、悩みに答えようと知恵を出すことが、図らずも自分を語ることになっていたかもしれません。悩みの多くは人との関係性から生まれるものです。ことばを総合的に受け取り、他者の気持ちを受け取り、適切な手当てをする能力を愛と呼ぶなら、人を愛する能力を高めることこそがこれからの教養の中心的な課題かもしれません。本学には図書資料が質量ともに充実した情報館があります。いわばことばの海です。4年間でたくさんの他者のことばに触れる経験を積むとともに、他者と繋がろうとして自分の思いを伝えるために知恵をしぼることもまた重要です。大学生活でことばとアートを通して表現の力を身につけていきましょう。

おわりに
~自宅課題「Discovery Diary」について~

自宅課題「Discovery Diary」は、自分が見たもの、興味を持ったもの、調べたもの、経験や体験を絵や文章などにして視覚化することで自己理解をするための手段として取り組んでもらいます。
「Discovery Diary」に集まった様々な物事は入学後、もっと言えば皆さんの将来においても「自分を表現する核」となりますので、これからクロッキー帳をどんどん膨らませてください。

京都精華大学 高大接続センター

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