2015年度 京都精華大学 入学式を執り行いました

2015 年 4 月 1 日

2015年度 京都精華大学 入学式を執り行いました

2015年4月1日(水)、国立京都国際会館にて2015年度入学式を執り行いました。

式では、学長 竹宮惠子、理事長 赤坂 博による式辞、祝辞のほか、茂山千五郎家によるお祝いの狂言「附子」が演じられました。また、新入生代表の人文学部 高田美紀さんの入学の辞では、これからの大学生活で成し遂げたいことなど、4年間の抱負が述べられました。

この日、入学を迎えたのは、学部・大学院あわせて858名の学生となります。

新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。

学長 竹宮惠子による式辞

ここ岩倉の界隈では、市中と比べて桜の開花がやや遅いのですが、日曜日の雨のおかげで、ちょうど満開となりました。

本日は、皆さんのご入学に対し、心からの歓迎とお祝いを申し上げたいと思います。

ご入学、本当におめでとうございます。新しい4年間へようこそ。

大人として社会に踏み出す卒業の日まで、一緒に学び研鑽しましょう。皆さんが出来うる限り様々な知見を身につけ、自分のことばとしてそれを他者に話すことが可能になり、考えながら前に進む、賢明な学生であれますように。またそれを、教職員が十分に手助けすることを、ここに約束したいと思います。

目の前に様々の選択肢があるなか、皆さんが京都精華大学を選択して今日の日を迎えたことは、決して偶然などではなく、流れのままに来たということでもなく、間違いなく皆さんの意志があって、そこに座る隣の人との出会いがつくられたということになります。

もちろん、こんなことは偶然だ、選んだ訳ではない、という考え方もある訳ですが、その2つのうち、どちらの考え方を選ぶかで、またさらにものの見え方は違ってきます。いま目の前に映る同じ風景が、ある人にとっては、キラキラした希望にあふれる見知らぬ世界、ある人にとっては単なる風景写真、ある人にとっては不安でグレーな未来に見える……人間というものは、常にこうした主観に支配される視点を持って、外の世界を見ています。

では主観とはいったいなんなのでしょうか。良いものなのか、悪いものなのか?自分の主観でありながら、その判断にすら迷ってしまいますね。でも、皆さんより50年近く長く生きた先輩として、言えることが一つあります。目の前にあるものには、すべてに意味や理由、時間による変化がある(あるいはあった)ということ。席に置かれたチラシは誰かがそれを並べていた。京都精華大学の名前が入った紙袋は、昨日、何時までどこにあったか。椅子に貼られた紙の端っこはなぜ折れたのか?…すべてにそうした意味と存在理由があります。

人間である皆さんにも、もちろん同じようにあるのです。どのように生まれ、どう育って、こんなことを考えてここに来ました、だから私は〇〇です、というようなことも存在理由ですが、もっと些細な事物としても皆さんには立派に存在理由がある。何それの人物である、ということよりも、もしかしたらそれは、大きな世界にとってずっと大事なことなのかもしれません。それが、皆さんが今日ここに居て、入学式に臨んでいるということにある存在理由なのです。

さて、こういった考え方や視点は主観ではない、と皆さん、もう解りますよね。そう、こういう視点が客観と言えるものです。自分自身の心のうちから離れて、中空から自分を見るような見方で、見えているものを推理・判断したり、冷静に批判的に見たりすること。皆さんの年齢であれば、そのような見方を意識的にもう身に付けている人もいるかもしれませんが、それは少数派で、おそらくはその分別がついていない、考えてみたことがない、というところかと思います。大人になっていく、というのは、主観・客観の分別がつき、TPOに応じて使い分けが自然に出来、社会的な振る舞いが可能になるということ。それは自立をしていくということにも、当然必要な力となります。つまり、客観を学ぶことが、新たな世界への扉となる、と言えるでしょう。

これからの4年間は、社会に相対する前の、自立のための大切な学びの期間です。自分に自信があって他を導くことすら出来ると思っている人も、壁に当たって砕けることがあるかもしれないし、逆に何もやる気が起きない人に、思いがけないことが起きて今まで全く見えなかった道が見えるかもしれない。4年間とはそういう長さであり、厚みでもあります。起きることはすべて良いことばかりではなくても、それぞれの受け取り方、判断の仕方次第で良いことに変えることは出来るかもしれません。その手助けをしてくれるのが、専門教育の中での学びです。専門の技術や知識を学ぶ中で、辛抱や、段階を経る大切さ、なぜそうするかを理解すること、そうしたことを知ることが一挙に高みへと繋がることもあるからです。

こうして人として完成していく皆さんの、とても大切なこの次期に関わることは、教職員として誠に悦ばしく、また襟を正して向かうべき重要な仕事だと認識しています。それぞれのコースからアプローチは違っても、皆さんはすべて、京都精華大学の学生です。大学は皆さんに出来る限りの手助けをして、よい学びや判断力を手にすることが出来るように応援します。

客観を知り、かつ主観を大事にして自分を創る、これを目標にしてこれからの4年間を豊かに過ごしてください。そして今日の日は自分にとって何だったのか、卒業の日にもう一度振り返ってください。

そのときに、満足出来る大学であれるよう、互いに心と手を繋ぎ、歩いていきたいと思います。

今日は本当におめでとうございました。

2015年4月1日

京都精華大学学長 竹宮惠子

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