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第10回「ポピュラーカルチャー研究会」開催
“美容整形とアイデンティティ”
─現代日本と現代アフリカの比較検証─
9月19日(土)、京都精華大学本館305教室において、第10回ポピュラーカルチャー研究会を開催。発表テーマは谷本奈穂氏(関西大学総合情報学部)による「現代日本における美容整形:アイデンティティをめぐって」およびウスビ・サコ氏(京都精華大学人文学部)による「整形手術とアイデンティティ:黒人の皮膚の脱色の事例を通して」。
谷本氏は、美容整形の現状を鑑み、その受容の歴史的端緒を第1・2次世界大戦とし、医学と心理学との共犯関係=「病理」と「美の神話」から、美容整形をポジティブにとらえる「主体化説」が台頭した結果と推察。また、現代、横行している「プチ整形」を取り上げ、美容整形を受ける動機をめぐる性差にも言及、成形理由における男女間の差が顕著であることを指摘。一方、美容整形を動機付ける「モノ」や「メディア」にも言及しつつ、美容整形を受容する現代的アイデンティティを仮説。2003〜2005年にかけて行った1,300名余に及ぶ調査結果をもとにした研究発表は、美容・整形に関するメディアのあり方にも一石を投じる興味深いものでした。
サコ氏は、1960年代を皮切りに黒人の皮膚の色がどんどん淡くなる現象を真正面から捉え、黒人の皮膚の脱色の起源に「アメリカ的説」と「アフリカ的説」があることなどを紹介。その起源を「奴隷制度」や「植民地制度」にあるとし、白人=富裕・著名・社会的ステータス等々という社会構造に着目、アフリカにおいても皮膚の色の淡さは美と富の象徴とされる文化現象の中で、脱色をめぐりさまざまな問題が生じているという。一方で、脱脱色への動きも出始めていることにも言及。コンプレクスとアイデンティティの狭間にあることを黒人の皮膚の脱色事例を通して、歴史的でグローバルな視点から問題を投げ掛けました。
往々にして現代事象やコンテンツ、モノに依存しがちな「ポピュラーカルチャー研究」にあって、実はその根底を支えているアイデンティティを探求する姿勢は今後の研究の方向性を指し示す指針として重要であることが再認されるものとなったと思われます。
研究会構成員
2009/09/28 |