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第8回「ポピュラーカルチャー研究会」開催
アニメーションと洋裁文化に見る
文化流用とメディア
3月3日(火)、京都国際漫画ミュージアムにおいて、第8回ポピュラーカルチャー研究会を開催いたしました。
発表テーマは井上雅人氏(京都精華大学人文学部文化表現学科)による“1950/60年代と消費者の身体−洋裁文化の事例を中心に”と前回に続き杉本バウエンス・ジェシカ氏による“「cultural appropriation」のファン討論−『アバター』と『ヘタリア』の場合”。
井上氏は、戦後復興期1940/50年代が日本の消費社会あるいは消費者の形成にいかなる意味を持ったのだろうかと問い、ファッションという観点から、洋裁学校が大量に開校し、同時に「デザイナー」と呼ばれる人びとが出現したこの時代を、総動員体制下以来の「平等化」と、戦後復興期の「民主化」という二つの社会変動に突き動かされた「洋裁文化」の見取り図を提示しつつ、洋服の自家裁縫を通して、自らの手で自らの身体を形成する主体的なはずの行為が、いかにして「消費」という行為に結びついていったのかを考察。
杉本氏は、米国発のアニメ『アバター 伝説の少年アン』とウェブコミック『ヘタリア Axis Powers』を取り上げ、前者が日本アニメの影響下で国外で制作され、近年、最も成功を納めたアニメ作品であるにもかかわらず、2009年に予定された実写版のキャスティングに多くのファンからの意義が唱えられ、そこでは「他者の排除」と「cultural appropriation」とする問題があがっていたこと、そして後者もまた様々な国々で熱い支持を得る一方、一つの国全体、もしくはその「国民性」を可愛いキャラクターで表現することは不適切な「cultural appropriation」であるとして猛反発されることもあったという点を重視、文化的流用もしくは「文化的盗用」におけるさまざまな問題を投げかけました。
取り上げられた時代性は異なるものの、いずれも身近なテーマであり、文化においてメディアのあたえる影響や文化がメディアに及ぼす影響などその相互作用がポピュラーカルチャーにどう作用するかを考える上で貴重な研究発表となりました。
この日は平日でしかも聴講が有料にも関わらず、多くのオーディエンスが集まり、ポピュラーカルチャーを考える輪の広がりを実感した次第です。
研究会構成員
2009/03/05 |