アニメーションと洋裁文化に見る
文化流用とメディア
日 時:2009年3月3日(火) 13:00 〜17:00
会 場:京都国際マンガミュージアム 多目的映像ホール
主 催:京都精華大学表現研究機構
共 催:京都国際マンガミュージアム
一般参加自由 申込不要[ミュージアム入館料 500円(一般)]
どなたでもお気軽にご参加下さい!
| ■発表者/ |
杉本・バウエンス・ジェシカ(京都精華大学マンガ学部准教授) |
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井上雅人(京都精華大学人文学部文化表現学科准教授) |
【研究発表概要】
1.cultural appropriation」のファン討論 ─『アバター』と『ヘタリア』の場合
(杉本・バウエンス・ジェシカ/京都精華大学マンガ学部准教授)
米発のアニメ『アバター 伝説の少年アン』(Avatar: The Last Airbender、2005年 ~現在)は、日本アニメの影響下で国外で制作され、近年、最も成功を納めたアニメ作品である。しかし、2009年に予定された実写版のキャスティングに多くのファンからの意義が唱えられ、そこでは「他者の排除」と「cultural appropriation」(「文化的流用」もしくは「文化的盗用」)とする問題があがっていた。そしてファンとアンチファンとの間の闘争ともいえる討論に火をつけたのが『ヘタリア Axis Powers』(ウェブコミック2003年~現在。2008年に単行本化)という作品である。これは日丸屋秀和によるベストセラーになったマンガで、2009年1月からアニメが放映されるようになった。正式な英訳は無いものの、「スキャンレーション」といわれる、ファンによる英訳がインターネット上に流用され、これにより様々な国々で熱い支持を得た。その一方、「問題作品」であるとして猛反発されることもあった。一つの国全体、もしくはその「国民性」を可愛いキャラクターで表現することは不適切な「cultural appropriation」とされる。
2.1940/50年代と消費者の身体 ─ 洋裁文化の事例を中心に
(井上雅人/京都精華大学人文学部文化表現学科准教授)
日本の消費社会あるいは消費者の形成について、1920年代や30年代が議論されることは多いが、40年代や50年代は十分に検討されてきただろうか。戦後復興期は消費社会あるいは消費者の形成にいかなる意味を持ったのだろうか。
ファッションということに注目してみると、この時期は、洋裁学校が大量に開校し、同時に「デザイナー」と呼ばれる人びとが出現した時期である。貧困ゆえ、あるいはアメリカへの憧れゆえの「洋装化」として一様に解釈されてしまう動きは、ミシンという機械=身体拡張のメディア、スタイルブックというマスメディア、洋裁学校という教育メディアが折り重なったところに出現した重層的な文化であったと言える。
総動員体制下以来の「平等化」と、戦後復興期の「民主化」という二つの社会変動に突き動かされた「洋裁文化」の見取り図を提示しつつ、洋服の自家裁縫を通して、自らの手で自らの身体を形成する主体的なはずの行為が、いかにして「消費」という行為に結びついていったのかを考える。
本研究プロジェクトは、現代の思潮であるポピュラーカルチャーに通底する社会的背景を探究することをめざします。
お問い合わせ E-mail : hyogen@kyoto-seika.ac.jp
2009/2/9 |