第3回 ポピュラーカルチャー研究会

私たちはなぜ〈応援〉するのか?
〈応援〉をめぐるポピュラー・カルチャーの諸相

「応援」は、個々人の自発的な意志から生まれる行為である。その意志が集積し、ある程度社会的な広がりをもったムーブメントになるとすれば、それは「ポピュラーカルチャー」としてよいのではないか。

日 時 :2007年12月16日(日) 13:00〜17:00
会 場
京都国際マンガミュージアム 多目的映像ホール
主 催 : 京都精華大学表現研究機構
共 催 : 京都国際マンガミュージアム

一般参加自由 聴講無料・申込不要
どなたでもお気軽にご参加下さい!
※但、マンガミュージアム閲覧には入場料が必要です。

■座 長/ 山折哲雄 (宗教学者)
■発表者/ 手嶋 英貴 (京都精華大学教育推進センター)
永井 良和 (関西大学社会学部)
瓜生 吉則 (明治学院大学教養教育センター)
■ポピュラーカルチャー研究会 研究員の紹介

1.応援の文化史 (手嶋英貴)
〈応援〉とは、考えてみれば不思議な行為だ。何かを達成しようと頑張るのは他者であって、応援するワタシは、あくまでそうした他人の目標達成を「促す」ことにガンバっている。しかも、完全に人のため(利他)ではなく、結局は自分のため(利己)という了解も含まれていたりする。どこか矛盾的で、しかし、紛れもなく人類文化の進展を支えてきた営みの一つ、それが〈応援〉である。本報告では、ギリシャ・ローマ古典期から現代日本まで、東西文化史における〈応援〉の諸相を眺めながら、その本質を理解するための糸口を探ってみたい。

2.応援の風俗 (永井良和)
本報告では、〈応援〉という言葉や行動がどのように考えられたかを簡単にふりかえりつつ、具体的な応援行動、応援集団について考察したい。スポーツ観戦の応援を例にとろう。高校野球の応援や、地元プロチームに対する声援は、マスメディアにもとりあげられ、庶民の楽しみのひとコマとしてほのぼのと描かれる。また、応援行動はスポーツ経営のなかでも重要な意味を持ちはじめている。だが、過熱したパフォーマンスは社会性のない行為と非難され、応援そのものにのめりこむことはバランスを欠いた人生とみなされてきた。この報告をとおして、まともに記述されることなく、偏見に満ちたまなざしに晒されてきた〈応援〉という現象への理解を深めたい。

3.「応援馬券」 の誕生と「感動」のファシズム (瓜生吉則)
かつては「鉄火場」としてオヤジたちの聖地であった競馬場。しかし1990年前後以降、その風景は「オンナ/コドモ」の楽園へと変貌していき、「馬券」という紙切れも、大きくその内実を変容させていったかに見える。そして、疑似(刹那的)貨幣だった馬券が、近年は〈応援〉の場を共有するためのチケットとなり、「応援馬券」という新語も生まれた。この報告では、かつて寺山修司が掲げた「競馬ファンは馬券を買わない。財布の底をはたいて『自分』を買っているのだ」といったロマン主義的な競馬観と、現代的な「応援馬券」との間に見える連続と断絶のありようを探りたい。


本研究プロジェクトは、現代の思潮であるポピュラーカルチャーに通底する社会的背景を探究することをめざします。
お問い合わせ  E-mail : hyogen@kyoto-seika.ac.jp

2007/11/01



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