

京都精華大学には人文学部があり、単科大学的な成り立ちの他の芸術系大学と一線を画しています。言い換えれば、人文学の視点から芸術表現を探究することを、その特徴としています。
しかも本学の場合、これまでの芸術学や人文学ではない民衆的・大衆的な表現に比重のあることが、教育研究の実績が示しています。
現代文化の主流はポピュラーカルチャーにあり、京都精華大学は設立当時からこのことを察知し、40年間の教育研究を進めてきました。

しかし一方、現象面としてのポピュラーカルチャーはある(実在・実存する)のですが、何故、それが現代文化の主流にあるのか、わかっているとは言えません。
いまこそ、ポピュラーカルチャーの必然性(社会的背景)を解き明かし、また、その社会的力あるいは潜在力を思考の対象とすることが求められています。
そうすることによって、現在のポピュラーカルチャーとは異質の、あるいは位相の異なる新たな文化創造の可能性が開かれ、京都精華大学に求められている社会的使命が果たせるのだと思います。
表現研究機構は社会に開かれた機構として、すでに推し進められているポピュラーカルチャーやポピュラーカルチャーの周縁的研究を吸収し、継承しながら、ポピュラーカルチャーの生成場面や空間を明らかにしつつ、その本質に迫るとともに、研究成果を広く市民に公開・共有し、産官学の連携のもと、より普遍的な知的文化生産の基盤形成と実現をめざすものです。

(1)ポピュラーカルチャー研究プロジェクト
(2)関西アニメーション史研究プロジェクト
(3)テレビCM研究プロジェクト
(4)CMデータベース学内活用推進プロジェクト
(5)雑誌『表現』刊行プロジェクト
ポピュラーカルチャーにせまるには、多角的なアプローチが必要です。ポピュラーカルチャーの名をダイレクトに冠した研究プロジェクトは、国内外および学内外のさまざまな専攻分野の研究者を擁し、文字どおりポピュラーカルチャーに関する横断的な研究を推進します。
日本のアニメーションは世界に飛翔し、日本のポピュラーカルチャーを象徴していると言っても良いものになっています。高度経済成長とともに大衆文化として定着してきたテレビCMも、ポピュラーカルチャーの浸透と発展を促してきました。これらを集積したCMデータベースは、ポピュラーカルチャーの足跡をたどるうえに不可欠で貴重な資料群です。
また雑誌『表現』は、ポピュラーカルチャーの種々の〈表現〉を取り上げ、研究レポート、コラム、評論等により、現代という時代を浮き彫りにして読者に示すとともに、誌面そのものがポピュラーカルチャー生成の〈場〉となることを志向します。
5つのプロジェクトが互いに連環し、ポピュラーカルチャー研究への求心力を高め合うことを目指しているのです。
京都精華大学表現研究機構の研究活動に、ご期待ください。
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