細川弘明先生インタビュー

2014/11/12

 
細川弘明01

Q.研究のなかで喜びを感じるのはどんなときですか?

A.自分の考え方ゆえに気づかなかったことに気づく瞬間に出会うときです。

 
優れた研究者との交流のなかで、僕とは全然違う発想で問題を捉えていたり、思いもよらない調べ方をしていたりする人に出会って、話を聴いて、自分の発想が変わっていくのは非常に楽しいですね。自分の考え方ゆえに気づけなかったことを、考え方を直されて気づくというのはすごく大事だと思うんですね。いわゆる「目からウロコが落ちる」という体験です。
 
また、僕自身の仕事でいうと、現場でしかわからなかったことを発見する瞬間ですね。たとえば、前出のアボリジニの言語記述のために聞き取り調査を行ったときのこと。言葉を教えてもらっていたおじいちゃんやおばあちゃんは、動詞の活用について質問しても答えられないんです。「もう忘れてしまったのかな?」と思っていたのですが、街を離れてキャンプをするとちゃんと思い出すんですね。
 
そこではじめて、「言語を使えるかどうか」という単純な話ではなく、「言葉は“どこで話すか”がすごく大事なんだ」ということに気づくわけです。環境と結びついてはじめて発話される、社会的な生き物としての言語の姿があるんですね。そういう事実に触れるとすごく面白いなと思うわけです。
 
大学の教師としては、学生たちがそれぞれの現場で、僕が気づいていなかったことを発見してきてくれるときが面白いですね。僕の知らないことに気づいて知らせてくれるというのは一番うれしいし、楽しいときです。
 
 
 
 
 

 
  
  
 


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