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左手の巣

ひとのふるまいを切り分けてはいけない。
ひとの意識を奪ってはいけない。
猫背はねこの物だし、ツインテールは彼女の物だ。
できあがるものはおそらくとてもいびつ。そのほうがきっとあなたの体になじむと思うの。完璧を目指し、そのなかに押し込めることはとても窮屈。だけど、左手みたいに不器用につくられたもの(鳥たちが内側から胸を押しつけつくる巣のような)、そのほうがきっと行為が行為を呼ぶ。
それはできるだけ、異世界で、それはできるだけ、全てを溶解する薬品みたいなもので、それはできるだけ、フェノメナルな透明であるべき。
これはちょっとしたReconquistaのはじまり。

松川 華子 Hanako MATSUKAWA

2

銀座・新歌舞伎座

日本の伝統文化は世界的に見ても特徴的で独創的である。デザインを考える上で、僕はいつも伝統からアイディアを膨らませている。しかし現代の都市において日に日にその文化が人々のライフスタイルから離れつつあり、伝承されてきた多くの知恵やモノが絶滅動物のように消えていっている。それだけ伝統はもろいモノだと感じている。
僕は海外で生まれ育ち、日本人としてのアイデンティティを強く持てないでいるが、日本文化をどう発展させるか日々京都で模索してきた。伝統には大いなる可能性を感じている。
今回の設計は文化が都市において、オフィスにおいてどのような形で成りえるのかを考えながら一つの提案をした。文化が日常と隣り合わせにあることで、ただの習いごとや博物館化しないことを願う。

天江 大陸 Dairiku AMAE

3

Architecture in seasons

1.水田(地形)への操作:高度経済成長期に推進、実施された生産性重視のグリッド型の水田から、当該敷地の地形、就農状況を読み取った上での冗長性を持った不定形な水田への建て替え。
2.住宅への操作:広い小屋裏空間を持った既存の築100年以上たつ約32軒の農家の改築とその使い方の読み替え(約半数に減少した住民たちが余った農家に季節ごとに移り住む)。
3.道(橋)への操作:当該敷地中央を流れる川にかかる橋の建て替え(川にかかる四本の橋が、人口が減り拡散した住民たちが唯一集結する場であるという行動原理を含んでいることを考え、四季によって場所が移動する集会所として設計)。
空き地への操作:以上の設計から生み出された空き地は住民により、転作が必要な畑、栗林などとして活用される(栗林にはそのための農機具小屋が設置される)。
本設計では以上の操作を約40万㎡の敷地上で行いました。

奥村 禎三 Teizo OKUMURA

4

to

わたしの身体がつくる服。

むずかしい作業や知識はなにもいらない。

身体の4点から始まる服づくり。

服は、自分の身体や気持ちととても近いもの。
それを生み出すのは、ある限られた人たちだけであるべきでないし、また、決まりきったサイズに身体をあてはめるべきでない。
「誰もが簡単に、自分の服をつくる」
その手法を模索した。 

米田 香苗 Kanae YONEDA

5

clothe oneself - 心による着装 -

3回生の秋、ある課題をきっかけにファッション史に興味を持つようになりました。そして、その日から関連した書籍を何気なく読むようになります。中でも、マドレーヌ・ヴィオネやココ・シャネル、川久保玲がつくりだした新しいモードと呼ばれる時代が好きです。この作品は、そのような数々のデザイナーが常に関心をおいてきた「身体と布地」の関係を考えることから始まりました。わたしたちが、日頃何気なく瞬きをしているこの体には「わたし」という精神が存在し、両者の関係を「心身論」という言葉で述べられることがあります。心身論では、「わたし」の存在により多くの身体空間が形成されるなどとてもおもしろいことがたくさん詰まっていました。そこで後にコンセプトとなる「身体、精神、布」へと話が続いていくことになります。建築学科の学生が新しいモードを提案するなら・・・
そのように感じとっていただけたら嬉しいです。

元道 唯 Yui MOTOMICHI

6

創健都市

昨今の人間の健康への意識についてのあり方を提案する。
「日常せいかつ」からの「運動」という言葉の一人歩き。
日常生活を過ごせば自然と足りていた運動量は昨今の社会での当たり前のような暮らしによって減少し、人間に様々な影響を及ぼす。
人間の日常生活に「運動」をいう存在をリターンさせる。
都市の中の人間にとって必要な運動をスポーツ環境のクモの巣のようなネットワークで戻せないだろうか?
これは人間を本来のリズムに蘇らせるための健康都市の計画。

永富 三基 Mitsuki NAGATOMI