ダライ・ラマは、チベット仏教の最高指導者。ひとびとを救済するために、涅槃に入ることを求めず、輪廻世界に生まれ変わる観音菩薩の化身であると信じられている。「ダライ・ラマ」とはモンゴル語の尊称で「智慧の海」という意味である。
 ダライ・ラマ14世(本名テンジン・ギャツォ)は1935年チベット東北部アムドに農家の子として生まれた。2歳のときに先代13世の転生霊童として認められ、40年に第14世として正式に即位した。
 1959年のチベット民衆の一斉蜂起と中国軍の弾圧による事態で、インドへ亡命。インド北部ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラに亡命政権を樹立した。現在の住居も同じくダラムサラにある。
 1989年に、一貫して非暴力平和的手段でチベット問題の解決に取組んだことが評価され、ノーベル平和賞を受賞した。また受賞理由には環境問題への取組みも挙げられている。
 ダライ・ラマは精力的に世界各国を訪れ、チベットへの支援を求めるとともに、世界平和を祈念する法要を行っている。93年にはタイで、ツツ大主教(南アフリカ)ら歴代ノーベル平和賞受賞者とともにアウンサンスーチー解放キャンペーンに参加した。
 仏教哲学に関する著作は日本でも多く翻訳紹介されている。
 偉大な宗教指導者として、世界的に尊崇を集める。