わたしは幼い頃からボンヤリしていた。
そして、ずっと退屈だった。
いつも自宅の洗濯干し場から遠くの山や空を見ていた。
近くにある鮮やかな色よりも遠くで霞んで見える色・風景・物に興味をもち、抽象的に見えるものが好きだった。
短大生になっても、やはり絵画コースの教室から山々を見ていた(そこは高台にある学校)。
すると、山の形がなんとなく果物がごろごろ並んでいるように見え、女性が仰向けで横たわっているようにも見えて、絵の題材は果物や女性になった。
京都精華大学に編入学してからは、山々を眺めることはなくなったが、一人暮らしの部屋のカーテンや誰もいない部屋、人や物の触覚に興味を持った。
そして2010年、今になってようやく、ボンヤリしていた日々から生まれた作品をわたしは初めての個展でまとめようとしている。