京都精華大学ギャラリーフロール
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疑問であるなら、皆さんもよくお持ちのことと思う。アーティストと呼ばれる人々が一生をかけて答えを出そうとする数々の疑問、その多くは日常か らすれば取るに足りない、しかしながら解答困難な疑問であることが多い。私とは何か、真実とは何か、リアルとは何か…、言葉で羅列して括ってしまうのは容 易だ。そのような疑問に彼らは立ち向かおうとする。解答を見つけては、わざわざ表現へ立ち上げその世界観を誰かと共有しようとする。完全な理解や共有がありえないと知りつつ、その表現活動を続ける彼らは、ある種のジレンマを抱え続ける。解答を見つけようとするのは何故だろうか?表明しなければならないのは 何故だろうか?果たして伝える事はできるのだろうか?

われわれはこの展覧会でそんな悲哀と滑稽、真摯と勇気に遭遇する。

「懐疑と捏造:アートのジレンマ展」 Skepticism & Fabrication: The Dilemma of Art
会期:2006年11月16日[木]-11月26日[日]
場所:京都精華大学ギャラリーフロール
時間:10:30-18:30 [入場無料・水曜日休館]
懐疑と捏造:アートのジレンマ展

【関連イベント】
快談[作家+ゲスト+来場者による談話]
日時:24日[金]17:00−18:30
場所:展示会場内(予定)
【サテライト展】
陳維錚 個展 「恋する34秒」
MAKE LOVE IN 34 SECONDS
会期:11月30日[木]-12月17日[日]
時間:11:00-21:00(入場無料・無休)
場所:shin-bi(京都四条烏丸COCON烏丸ビル3F)
http://www.shin-bi.jp
企画・主催:陳維錚
後援:カンプリ京都烏丸店
協力:東北芸術工科大学、(有)資料保存工房、家具の浜野、藝美裁縫所
展覧会公式サイト: http://tanjc.net/dilemma

出展作家

陳 維錚

JuiChen TAN
現代美術作家、マルチアーティスト。東北デジタルコンテンツグランプリ’98優秀賞、国内個展「越境するメッセージ」、「科学と芸術がみたもの」、「制度の住人」など。台湾、フランスなど海外も発表多数。

http://tanjc.net


適者生存の集団構造の中で、反抗するときに感じた無力さから、われわれは従う=流されることを覚えた。個体が流されているのか、個体同士の蓄積されたエネルギーで大きな流れが生み出されているのか。溺れて、私は反することのできない自然法則の中から生命のはかなさをみた。リアルを、つかんでみたい。

小林 和彦

Kazuhiko KOBAYASHI

メディアアーティスト。文化庁メディア芸術祭、学生CGコンテスト、NHKデジタルスタジアム、アジアデジタルアート大賞など受賞多数。

http://www.k-kobayashi.info


ごく普通のカメラで撮影した、ごく普通の風景をコンピュータによって加工し、現実の面影を細部に残す非現実的映像を構築した。人が感じる現実味とは一体何なのか、何を持って虚実の境界とするか、そしてここに写っているのは真実なのか、といった事を考えながら制作を進めた。

表 恒匡

Nobutada OMOTE
美術作家。京都精華大学大学院芸術研究科修了。写真、絵画、オブジェを鏡面化した作品、強烈なハロゲン光を使用した写真作品、ストロボを使用した作品、などを制作。『Black painting』(個展)、『眼眩在す』(個展)、『神戸アートアニュアル2005 眺めるに触れる』など発表多数。


懐疑と捏造。さして、作ったものをおもしろいと思うことも少ないのですが、以前、決定的にそう思えることがありました(詳細は置いておくし、大したことでもない)。あの人たちはとても美しかったが、僕の妄想も美しい。そこに何一つの真実も無いが、そういうものだろうと納得しています。ジレンマは強調するまでもないことです。

水谷 イズル

Izuru MIZUTANI
現代美術作家、映像作家。立体と平面を組み合わせた作品や光や映像、水などを使ったインスタレーション作品などを発表。大野一雄の舞台記録ビデオやNHKテレビ番組の演出などとしても活動。パリ、ニューヨーク、ソウル、上海など国内外で活躍。

http://izuru-mizutani.net


私の作品は観客の心を映す鏡なのではないかと思う。観客は作品をみることで、私の視点を共有することになる。しかし必ずしも私と同じものを見ているとは限らない。作品を前にして自分自身の心の中をかいま見る、その像は一人一人違う。私は作品という装置の構造そのものを作っているのだと思う。

Yuta NAKAMURA

中村 裕太

陶芸家。京都精華大学芸術研究科博士前期課程に在籍。日韓現代陶芸新世代の交感展(愛知県陶磁資料館)など2003年より多数のグループ展にて陶におけるコンセプチャルな作品を発表。


たとえば、山の麓から頂上を見上げたとしても、求心的に森の中へ分け入ったとしても、私はそこに山のそのままをみることはできない。私は山の麓から、与えられたルートに沿って、遠心的にその山を登り、そしてその連続した行為の狭間に齎される空白の光景を、ある距離と密度をもって、目の前に、仮設する。

Masahiro AMANO

アマノ 雅広

写真家。独学にて写真を学ぶ。2000年渡独。日常の視点及び20、21世紀の写真の概念を軸とした手段の追求。主な展覧会に2006年「窓からの視点」、2005年「現代美術の風景」、2004年「争いを見る見解/事実の複写」、2003年「領域/境界」ほか個展、グループ展国内外含め開催。主な芸術活動に2003年〜2005年石田大成社ホール/クリエイティブ・ディレクターを兼任。

http://masahiroamano.net


写真家ウォーカーエバンスの多重露光されたイメージ「Times Square/Broadway Composition」。この写真の翻訳と解釈から、イメージを再生したインスタレーション「写真の翻訳/星屑のアブストラクション」。NYセントラル駅に配置された行方不明者の掲示板を横切る人影の写真を、Xeroxで複写に複写を通した写真の移り変わりを表現した「争いを見る見解/事実の複写」他新作を発表。

島本 田鶴子

Tazuko SHIMAMOTO
書道家。伝統的書道界を離れ、97年以来京都を中心に独自の作家活動を展開。韓国での現代アート展への参加、2003年クラコフ(ポーランド)での個展、2006年にはフランスの「Paravent(屏風)」巡回展に出品するなど海外で活躍。

http://shimamototazuko.com


墨による言葉の文字化は、にじみやかすれの表現によって、新たな次元を獲得する。それは記号としての言葉から、私を介在した形象としての言葉への変化である。しかし、そうした言葉だからこそ見る側に開かれ、見る者の言葉で解釈されるのを待つ。