京都精華大学ギャラリーフロール
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 美術教師であった五十嵐英之と重度自閉症の倉地雅徳との間で行われた長年にわたる描画のセッションは、私たちに描くことの深い意味をつきつける。
 人間のコミュニケーションにとって「描くこと」がいかに深い意味をもっているか、その「描かれた」作品群がいかに美しいことか。美術という制度の枠を超えて、「描くこと」がいかに「人間的」であるのかを、二人の作品群は教えてくれる。
 このセッションは美術家である教師が自閉症児との「描く」やりとりによって「何かを発見する」旅であり、また、自閉症児が「描く」ことによっておこなう教師との「コミュニケーション」の旅でもある。そして、この旅の軌跡である5000枚あまりの描画は、旅が幸福に満ちたものであった記録として、それ以上に、「描くこと」が美術という制度に絡みとられる前の「他者との関係するベクトル」として輝きと力をもつものであることを教える。
島本浣
HIDEYUKI IGARASHI MASANORI KURACHI

HIDEYUKI IGARASHI MASANORI KURACHI
会期: 2004年10月29日(金)〜11月9日(火)
※水曜休館・入場無料
時間: 10:30〜18:30
会場: 京都精華大学ギャラリーフロール
〒606-8588
京都市左京区岩倉木野町137
Tel:075-702-5230 Fax:075-705-4076
E-Mail:fleur@kyoto-seika.ac.jp
>>会場へのアクセス
>>キャンパスマップ
◆オープニング・レセプション
  10月29日(金) 17:00〜
  会場:京都精華大学ギャラリーフロール
◆トークセッション
  (イン・アウト / アウト・インを超えるもの)

  11月5日(金)16:30〜18:30
  会場:京都精華大学ギャラリーフロール2F
  服部正(兵庫県立美術館学芸員)
  島本浣(京都精華大学教授)
  五十嵐英之(美術家)
◆主催:イン・アウト/アウト・イン展実行委員会

1、自閉症児の描画分析資料より描画モチーフの研究資料
コラージュによる切り抜きの輪郭線と写真イメージによる輪郭線との差異の認識について分析
1-1 1-2
1-3 1-4
1-5
1-6
355×520mm 1992年
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p1

2、自閉症生徒の描画活動にみられる“観察”についての事例的研究 「透明画面をはさんで向かい合って描く」ことの版画的視点

向かい合うポジションについてその重要性を説き、その画面をはさんで行われる“観察”の在り方を、描き合った描画から考察した。向かい合って描き合う時の両者の図の見え方から、情報のやりとりに版画的な特徴をみいだした。
1997年〜1998年
 photo:木村羊一  
1-1

3、セッション(401枚連続作品より003〜010抜粋)
3-1 3-2 3-3 3-4 3-5 3-6 3-7 3-8
 182×257mm 1994年
1-1

4、 10年目のセッション(7年ぶりに30枚の連続作品より014〜021抜粋)
倉地とのセッションを始めて10年の時を経た。7年ぶりのセッションも紹介する。
4-1 4-2 4-3 4-4 4-5 4-6 4-7 4-8
 182×257mm 2004年
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本展覧会はエプソンピエゾグラフの技術をもって、セッションのなかで用いられた描画に当時の視覚的な力が再現されるよう、 色調補正を加え複製している。色彩豊かに効果的な空間構成がなされている。
セッションをとおし相互に交わし合った言葉のような感じ、あるときは明確な気持ちの現れであったり、 またあるときはつぶやきのような些細な気持ちの現れであったり、 描画がもつその繊細な力を味わえるようなインクジェットプリントの可能性が感じられる展覧会である。

協賛:エプソンピエゾグラフラボラトリー
エプソンピエゾグラフ技術指導:有限会社ネオワークス 丘本孝志