細分化された学問領域に捉われず、人間と社会のあり方を自由に探求する。
その成果をもって社会へ提言し、働きかける。それが人文学という学問。
精華の人文学研究科は、現代の人間と社会を取り巻くさまざまな課題を掘り下げ、問題解決を図る。
そんな総合的な知を育む場所である。
人文学研究科では、人間と社会をめぐるすべての事柄が研究対象となる。そのため、独自の観点と問題意識から自由にテーマを設定し、掘り下げていくことができる。たとえば、映画やマンガ、ゲームといった表現やメディアに関する論考。宗教のあり方や心理学など現代人の内面に迫る研究。エコロジーから教育・就職に至るまで社会環境についての調査。資料収集・論文執筆の基本的な力を身につけつつ、研究手法も自由に選び、独自性を発揮できる。
研究領域を超えた総合的な知は、専門や見解の異なる教員や学生が、対等な立場で自由に討論するなかで形成されていく。人文学研究科では、教員による修士論文指導に加え、領域の異なる者と交流し、それぞれの研究内容について意見を交わす機会が用意されている。他大学や外部の研究機関とともに取り組むプロジェクトもある。異なる立場の多様な知見を吸収することで視野が広がり、自分ひとりでは気付かなかった新たな研究のアプローチが可能になる。
人文学研究科内だけでなく、作品制作を実践するほかの3研究科とコラボレーションできるのも精華の大学院ならではの特色。たとえば、環境問題への意識を促すために映像イメージを使うことを考える院生は、芸術研究科と共同で研究する。マンガの擬音表現を探ることで、社会の音環境の改善を模索する院生は、マンガ研究科の教員に聞き取りを行う。自分のテーマに合わせて他研究科の専門科目も受講できるため、実践に裏打ちされた理論を確立できる。
明治初期から昭和初期にかけての幼稚園教育におけるジェンダー/セクシュアリティ研究を行っています。このテーマは先行研究がなく、ひたすらに当時の幼児教育雑誌や婦人誌、書籍、保育日誌、幼児用の遊び集などの資料を紐解く日々。この時代、小学校では明確に男女別の教育が施されていますが、幼児に対しては男女一緒に遊ばせることを基本としていました。しかし、資料をあたるにつれ、実際には男女で分けた躾や遊びが行われていたことが見えてきました。今後は、この歴史研究をまとめ、それを踏まえてさらなる研究につなげていきたいですね。


学部ではグレン・グルードというピアニストに焦点を当て、学士論文にまとめました。修士では幅を広げ、クラシック音楽におけるオーディエンスを研究テーマにしています。クラシックの演奏会場は、過去においては教養を競い合う場でもありましたが、現代ではどうなのか。また、西洋とは違う日本特有のルールは生まれてはいないか。音楽理論ではなく、社会的・文化的な方面から探っていきたいと思っています。
精華の大学院は、いろんなジャンルの教員が揃っているのが魅力。学際的な研究を行うことができる、「懐が深い大学院」だと感じています。
『ベトナム人日本語学習者における漢字学習ストラテジー』というテーマで研究しています。ベトナム語のなかには漢字を由来とした“漢越語”というものがあり、それを日本語の漢字学習の際に利用することで習得が円滑になるのではないかと考えています。今年はベトナムに赴き、日本語学習者に対しての調査を1カ月ほど行いました。いまはその調査結果をまとめている最中ですが、難しくも手ごたえを感じています。
将来的には、ベトナムで日本語教師になる予定。大きな目標としては日本語学習に役立つ漢越語の辞書をまとめることです。


中国の現代文学から女性像を分析したいと考えています。以前は中国の纏足文化を研究していましたが、そこで発見したのは、男性主導の抑圧のなかでも、女性による独自の文化が生み出されていたということ。その経験から、文学作品のなかで生成された女性像を探したいと思いました。
大学院の授業では、人文学だけでなく、芸術、デザイン、マンガと、他の研究科と合同で行うプロジェクトがあるのですが、それがとても刺激になっています。他分野からの視点・考え方を知ることは、研究を行う者にとって重要なこと。テーマを深めるきっかけになりそうです。
4研究科を横断して履修することのできる「共通基盤科目」と「専門特講科目」では、専門領域や社会の一線で活躍する方々を講師に迎え、より実践的な教育・研究環境を提供します。各研究科の「専門研究科目」では経験豊かな研究指導教員により、個々の研究テーマに沿って徹底した指導を行います。
大学院人文学研究科 募集要項については入試情報ページをご確認ください。
京都精華大学 教務部教務課(大学院担当) Tel:075-702-5119 Mail:kyoumu@kyoto-seika.ac.jp