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末次 智

SUETSUGU Satoshi

人文学部 総合人文学科 文学専攻
専門分野
周縁文学 / うた文化 / 琉球国文化

経歴・業績

立命館大学大学院文学研究科日本文学専攻博士後期課程単位取得。奄美・沖縄の文化、とくに琉球王国のうた文化、そこから始まり、一般的なうた文化そのものへも研究の手を広げている。2012年、沖縄文化協会賞仲原善忠賞、日本歌謡学会第30回志田延義賞受賞。著書に『琉球の王権と神話』『琉球宮廷歌謡論』、論文に「Cocco論序説、あるいは、ウタの始まり」「身体の楽譜」「ボーカロイド歌考」「歌の発生覚え書き」など。最近はとくに、ヒト以前のうた的な表現に関心がある。

メッセージ

NHKの番組で、松任谷由実というアーティストが「私のうたが〈詠み人知らず〉になって歌い継がれればいい」といった内容のことを言ったのを聞いたとき、この人はなんて「うた」のことをわかっているのだろうと思いました。同時に、自己がつくり、うたううたに大きな自信をもっているのだなとも感じました。ほんとうに良いうたというのは、誰が、いつ、どこで歌っても、良いうたなのです。このようなうたの良さというものを突き詰めていくと、それはつまり「うたとは何か」ということを問うことになるのですが、うたの表現そのものに至り着きます。これまでのうた研究のなかで、私はこのように考えるようになりました。
別の言い方をすると、うたはだれのものでもない、さらに言えば、みんなのものになったとき、その力を最大に発揮するということになります。このような視点からうたのことを掘り下げて行くと、個々のうたの表現がもっとも大切な要素となります。言い忘れましたが、ここでいううたとは「実際に声に出してうたわれる」ものです。別の言葉で歌謡ともいいます。このようなうたは、人類が文字を発明するはるか以前から、うたわれてきたはずです。良いうたは、多くの人によって、ずっと歌い継がれてきたはずです。そうしてより多くの人に共有されることで、さらにその力を増したはずです。
私の関心は、このような力を生み出すうたの表現を明らかにしていくことにあります。古代から現代に至るまで、記録され、そして、現在でも歌われているうたの表現に目を凝らすと、その力の源が見えてきます。さらに、私は、最近、うたは人類の50万年の歴史よりももっと古い表現なのではないか、たとえばサルや小鳥のうたともつながっていると考えています。これについては、ここでは詳しくは述べませんが、講義やゼミを通して、また、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

作品・著書・研究活動など

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