【卒展学生インタビュー!】

2019年の京都精華大学展の中から「理事長賞」の一つに選ばれたビジュアルデザイン学科デジタルクリエイションコースの地下英里さんに、卒業制作の作品についてお伺いしました!

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地下英里さんと作品「AI学級」

ーまずは、作品について教えてください。

AIによる音声アシスタント、音声認識、テキストの音声入力の機能には、まだまだ拙さがあると思うのですが、そのポンコツな感じを利用して、人間同士のコミュニケーションの「行き違い」を表現した作品です。

1つの教室に見立てた各机の上には、生徒に見立てたAIスピーカーを設置しています。すぐそばに置かれた黒いスピーカーからは、AIに話しかける音声が流れます。それらの会話のやりとりが、このクラスの内情や雰囲気などを浮かび上がらせる仕組みになっています。

会話はさらに別のマイクで集音していて、入力された音声をテキストに変換してプロジェクターで投影しています。その変換もちぐはぐなので、それもコミュニケーションの「行き違い」として表現しています。

AIスピーカー自体には何も手を加えていないのですが、黒いスピーカーから出ている音声は全て、私が考えたシナリオを読み上げソフトで読み上げて、それを録音した音声が流れています。AIスピーカーの返事はほぼ決まっているので、その語句を洗い出してシナリオに組み込んで、どうにか会話を成立させています。
例えば「○○は嫌い」「××はめっちゃいいやつ」などの人間関係のこじれを生じさせる会話もあれば、「お腹すいた」「宿題手伝って」など意味の通じない会話がシナリオ音声とAIスピーカーによって会場では繰り広げられていました。

今回、「コミュニケーションの行き違い」を作品のテーマにするに当たって、思春期特有の行き違いが多発している現場といえば、教室の中だなと思い、このような展示になりました。

教室やクラス内で起こる事は、多くの人の共通認識でもあるし、あるあるネタになるかな?とも思いました。生徒たちの会話をマイクでひろい、音声入力させたよりポンコツなテキストを黒板に投影してビジュアルでもコミュニケーションの行き違いを表現しています。

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たくさんのAIスピーカーが設置されています。

ー特に苦労した!というところはありますか?

いっぱいあります!(笑)
まず、シナリオを書くのが苦手だったので、AIスピーカーの返事に対してどんな会話を展開していくかを考えるのが大変でした。

この作品の舞台は、チャイムが始まりと終わりを告げる、学校の休憩時間に設定しているのですが、ずっと同じ調子で淡々と続くと、見る側がつまらないと思い、シナリオに強弱や緩急をつける工夫を施すのが大変でした。

あとは、AIスピーカーが勝手に音楽を再生したり、童話の読み聞かせが始まったりもするので、シナリオの中に「ストップ」という言葉を入れて対応していました。

ー今後作ってみたいものはありますか?

この作品を制作したきっかけは、私自身がコミュニケーションの行き違いで、生きづらさを感じていたことからスタートしたので、人が相互理解を深められる世界にするために、コミュニケーションをテーマに扱いました。

あえてコミュニケーションの行き違いを示すことで、みんながコミュニケーションについて考える時間が1秒でも増えたらいいなという作品なので、今後もそういった、みんなが見落としている事を少し突くみたいな作品を作っていけたらいいなと思っています。

ー地下英里さん、ありがとうございました!

卒展

学生インタビュー

Posted on 2019.04.26 by seika design course