「Mother's──母の遺品のゆくえ」

講演風景

石内都「Mother's──母の遺品のゆくえ」 石内都「Mother's──母の遺品のゆくえ」 石内都「Mother's──母の遺品のゆくえ」 石内都「Mother's──母の遺品のゆくえ」 石内都「Mother's──母の遺品のゆくえ」

日時:5月15日(木)14:40〜16:10 開場:14:30  会場:京都精華大学 黎明館201教室 
費用:無料 申込:不要(先着順)

講演要旨

人は多くのモノを遺して亡くなる。生きていることはモノとの共存であるかもしれない。生前、大切にしていたモノや愛着のあったモノは持主がいなくなると単なる中古の無用品になってしまうのがほとんどだ。そんな母の遺品を写真に写し、本を作り、個展で発表してきた。何度目かの展示で母の遺品という、個人的な写真が作品として自立したように感じはじめた頃、広島と出会った。被爆死した人々の遺品と被爆した品物を撮る。不思議な流れに呼びよせられた気がする。世界最大級の傷跡の在る街で写真を写す。私の貧しいイメージはすっかりどこかへスッ飛んで、もっと自由に、もっと自在に、今生きている私と同じ時間と共に居る、無用の遺品になれないモノ達を、ただそれだけを写せばよいのだとこの町は教えてくれた。

「Mother's──母の遺品のゆくえ」

 

プロフィール

  • profile

石内都 Ishiuchi Miyako
写真家。思春期を過ごした土地の空気や匂い、気配などを写真に撮りながら心の奥にわだかまっていた記憶の糸口を写真に見出す。70年代後半に、自らが10代までを過ごした横須賀を撮った「絶唱・横須賀ストーリー」を始めに、赤線遊廓跡の古い建物を撮影した作品を発表。1979年に「アパートメント」で第4回木村伊兵衛賞を受賞した。90年代より「1・9・4・7」で同い年生まれの女性の手、足を撮り人間の皮膚へと展開する。「SCARS」傷跡のシリーズ等を経て2005年ヴェネチアビエンナーレ日本館代表として「Mother’s」を発表。08年「ひろしま」を撮り下ろし写真集を上梓、個展「ひろしま─strings of time」(6月28日〜広島現代美術館)、プラハよりヨーロッパ巡回展「Ishiuchi Miyako1976-2005」が始まる。近年の写真集に、傷跡のある女性の体を撮影した『INNOCENCE』(07年赤々舎)、横須賀のEMクラブと横浜のベイサイドコートの廃墟の写真で構成された『CLUB & COURTS YOKOSUKA YOKOHAMA』(07年蒼穹舎)、『ひろしま』(集英社、近刊)など。